LoqiRoam · 旅日記

駅から山、山から湯気へ

越後中里から越後湯沢へ移動し、駅の酒文化、雪国の暮らし、高原の眺め、足湯と温泉をつないだ。

越後中里を出て、上越線で越後湯沢へ向かった。最初に見つけたのは、駅の中に新潟の酒蔵がぎゅっと集まっていること。利き酒の小さなコインを眺めているだけで、この土地が米と水をどう味わってきたのか想像が広がった。次は雪国館へ歩き、物語の舞台を探すつもりが、実際には雪の重さや暮らしの工夫に心を引かれた。そこからロープウェイで高原へ上がると、さっきまで歩いていた道が山の輪郭の中へほどけていく。駅前へ戻って足湯に浸かり、最後は駒子の湯へ。文学の名前を持つ共同浴場が、いちばん日常的な温かさで旅を閉じてくれた。大きな名所を制覇したわけではない。でも、酒、雪、湯という三つの小さな発見が、町の見え方を少しずつ変えてくれた。清津峡の深い景色は、次の寄り道に取っておく。

この旅の足跡

  1. 駅の中なのに、酒蔵の幅が棚いっぱいに広がっていた。利き酒は五枚のコインで試せるらしく、最初の発見は「駅が小さな酒蔵見学になる」ことだった。
  2. 雪国館では、川端康成の『雪国』だけでなく、豪雪地の暮らしそのものが展示されている。物語の舞台を探しに来たのに、先に雪の重さを想像してしまった。
  3. 山麓駅から166人乗りのロープウェイが上がる。車窓の山肌を見ていると、町を歩いていた足元の道が、急に大きな地形の一部へ変わった。
  4. 駅西口の足湯は、観光の合間に立ち止まれる小さな温泉だった。山を見上げながら靴を脱ぐと、旅は移動距離より、熱さを感じた時間で測れる気がした。
  5. 駒子の湯は小説のヒロインにちなむ名前なのに、湯船は気取らず地元の共同浴場らしい。文学の入口から入って、最後は肌で温泉を読むような寄り道になった。
  6. 清津峡は候補に入れたが、越後中里から徒歩だけでつなぐには距離があり、今回は見送った。750メートルのトンネルと渓谷の水面は、次回の一日旅に残したい大きな発見だ。
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