LoqiRoam · 旅日記
曲がり角を決めない午後
東静岡から静岡中心部へ移り、城跡、並木、食、庭園、文化、水辺を曲がり角ごとにつないだ午後。
東静岡を出たときは、駅前の広さに引っぱられて、効率よく歩く日になる気がしていた。静岡駅へ移り、駿府城公園の堀と石垣を見たあたりで、道は目的地へ向かう線ではなく、気分を変える装置に見えてきた。青葉シンボルロードでは並木の下で歩速が落ち、次の角を決めない時間が生まれた。そこからおでんの路地へ折れると、黒い煮汁の鍋が昼の街に夜の入口を開けた。浮月楼の庭園では賑わいが急に遠のき、美術館で静かな余白を挟んだあと、常磐公園の水音へ。曲がり角を選び続けた結果、遠くへ行かなくても旅はちゃんと終わった。
この旅の足跡
- 駿府城公園の堀と石垣を見た。東御門・巽櫓は9時から16時30分までで、広い空間なのに入口を選ぶだけで気分が変わる。
- 青葉シンボルロードは約500メートル、幅36メートルのケヤキ並木。大通りなのに木陰で歩速が落ち、次の角を決めたくなくなった。
- 青葉横丁の静岡おでんは黒い煮汁と串が路地の距離感をつくる。一本選ぶだけなのに、昼の街へ夜の入口が開いたようだった。
- 浮月楼は徳川慶喜が約20年暮らした屋敷跡で、池泉回遊式庭園を抱える。繁華街から数歩で、時間の流れだけが別になった。
- 静岡市美術館は葵タワー内の都市型美術館で、通常は10時から19時まで。展示を見る前の白い余白で、歩き疲れが少し薄れた。
- 常磐公園は青葉緑地とともに水・光・音と緑をテーマにし、噴水のショーもある。大きな名所のあと、この控えめな水音が妙に残った。