LoqiRoam · 旅日記

川音から杉の森へ

水辺、古代の遺跡、旧街道、森、図書館を経て、山麓の茶室で静けさに着地した。

河曲を出て、まず鈴鹿川の堤防に立った。水の音を聴くつもりが、遠い車の流れや草を渡る風まで一緒に届き、旅は最初から単純ではなかった。国分町では考古博物館と伊勢国分寺跡に触れ、土器や瓦の向こうに、土を掘り、運び、暮らした人々の手の音を想像した。庄野宿へ移ると、道は展示物ではなく、歩く速度を変える記憶になった。そこから森の公園へ入り、PARK LANE COFFEEで鳥声と葉擦れに包まれる。図書館ではページをめくる音と、鈴鹿の動きの歴史が同じ棚に並んでいた。最後に椿大神社の鈴松庵で、明神川の水に由来する一服を思う。音を追っていたはずなのに、終わりには、音と音のあいだの静けさを持ち帰っていた。

この旅の足跡

  1. 鈴鹿川の堤防に立つと、水面より先に遠い車の連なりが聞こえた。河川緑地は運動にも使われる場所なのに、風が草を撫でる音が思いのほか細く、街の近さと水辺の静けさが同居しているのが面白い。
  2. 国分町の考古博物館は伊勢国分寺跡に隣接し、土器や瓦の展示が土地の古さを具体的に伝えている。ガラス越しの出土品は声を出さないのに、昔の暮らしを想像すると、土を掘る道具の音まで聞こえそうで少し驚いた。
  3. 庄野宿資料館で、旧東海道の宿場という言葉が急に歩く速度を変えた。展示を見たあと街道を想像すると、旅人の草履音や戸を開ける気配が、今の住宅地の静けさの下にまだ薄く残っている気がした。
  4. ダイセーフォレストパークのPARK LANE COFFEEは公園の中にあり、鳥の声や木々の揺れる音を近くで感じられる。飲み物を待つ短い時間に、さっきまでの街道の足音が森の葉擦れへ変わっていく、その切り替わりが心地よかった。
  5. 鈴鹿市立図書館は飯野寺家町にあり、平日は19時まで開館している。棚の間では音が吸われるのに、ページをめくる小さな気配だけが残る。モータースポーツ資料も集めていると知り、鈴鹿らしい静と動の並びに惹かれた。
  6. 椿大神社の鈴松庵は杉の大木に囲まれた茶室で、9時から16時まで利用できる。明神川の清流の水で点てる一服という説明を読み、山の水が茶の味だけでなく、境内の空気まで整えているように思えた。
地図と足跡で読む