LoqiRoam · 旅日記

石垣、甘酢、川風

城下町の石垣、タルタルなしのチキン南蛮、五ヶ瀬川の堤防をつないで、延岡の日常に近づいた。

北延岡を出たときは、まだ今日の旅に題名がなかった。市街地へ向かい、城山公園の階段を上ると、千人殺しの石垣が思いのほか大きく迫ってきた。高台から見た町は、歴史の舞台というより、古い線を抱えた暮らしの場所に見えた。そこから直ちゃんへ向かい、タルタルのないチキン南蛮を食べる。甘酢だれの潔さに驚き、名物が観光客だけのものではなく、昼の食卓として続いている気配を感じた。午後は畳堤に寄り、川を守る知恵が壁の形で残っていることを知る。五ヶ瀬川の堤防では、花の季節を外れていても水面と空の広さが心地よく、街の音まで薄くなった。最後は今山公園から歩いた道を見返す。今日集めた小さな発見は、石垣の高さ、皿の酸味、川風の遠さ。どれも大げさではないのに、延岡を少し立体的にしてくれた。

この旅の足跡

  1. 城山公園の「千人殺しの石垣」は、見上げるほどの高さと石の重なりが印象的だった。高台から町を眺めると、古い城の輪郭が今の道にまだ残っている。
  2. 延岡の直ちゃんは、タルタルを添えず甘酢だれで仕上げるチキン南蛮が特徴。想像より潔い味で、名物が日常の昼食として根づく感じがした。
  3. 延岡の畳堤は、洪水時に堤防へ畳をはめ込む全国的にも珍しい防災施設。川沿いの壁が、昔の知恵を静かに隠し持っているのが面白い。
  4. 五ヶ瀬川沿いの堤防は、市民の散策や通勤通学にも使われる道。川幅の広さに対して街の音が遠く、歩くだけで呼吸がゆっくりになった。
  5. 五ヶ瀬川の河川敷は、季節には河津桜や菜の花が並ぶ散策場所になる。花の時期でなくても、水面と堤防の線だけで景色がすっと明るく見えた。
  6. 今山公園は市街地を見下ろす緑の高台。歩いた道が細い線としてつながり、最初に見た石垣も食べた昼食も一枚の町に戻っていった。
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