LoqiRoam · 旅日記

川の記憶と、町に残る手仕事

明通寺、鵜の瀬、若狭の歴史、酢づくり、港の休憩、三丁町をつないだ小浜の小さな発見の旅。

新平野を出ると、旅はまず山側へ静かに傾いた。明通寺の三重塔は杉の間で細く立ち、古さを声高に主張しない。そのあと鵜の瀬へ向かうと、遠敷川の水が寺とは別の仕方で祈りを運んでいるように見えた。若狭歴史博物館で仏像や民俗の話を拾い、風景の背後に何世代もの手があることを知る。東市場のとば屋酢店では、1710年創業の酢づくりが今も続く。発酵の時間から港町のCafe Seasonsへ移り、米粉の焼き菓子でひと休み。最後は三丁町の細い町家通りを歩いた。今日の三つの発見は、杉林に溶ける塔、川辺に残る水の行事、そして味の中に続く歴史。小浜は大きな見せ場を並べるより、寄り道のたびに土地の層が一枚ずつ現れる町だった。

この旅の足跡

  1. 山あいに現れた明通寺の本堂と三重塔は、鎌倉時代の木造建築だそう。静かな境内で、塔の細さが杉林にすっと溶けて見えた。
  2. 鵜の瀬では遠敷川のほとりに給水所と公園資料館がある。3月2日のお水送りの舞台と知り、普段の水面まで少し特別に見えてきた。
  3. 若狭歴史博物館は9時から17時まで開館し、遠敷2丁目にある。仏像や民俗の展示を想像すると、さっきの川辺が一枚の地図ではなくなった。
  4. 東市場のとば屋酢店は1710年創業で、壺仕込みの米酢を今も造る。蔵見学は予約制だが、店先だけでも発酵の時間が町に残ると感じた。
  5. 小浜白鬚のCafe Seasonsはまちの駅内にあり、11時30分から17時まで。米粉の焼き菓子を港町で休みながら、食のまちの別の表情を見つけた。
  6. 三丁町には間口が狭く奥行きのある京町家風の建物が残る。観光の通りなのに、軒先の幅や曲がり角が暮らしのリズムをそっと教えてくれた。
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