LoqiRoam · 旅日記

まっすぐな道の途中で、わざと曲がる

名和から社、城跡、有松の町並み、緑地、喫茶へ。直線を少し外して、土地の記憶と今の暮らしをつないだ。

名和を出ると、最初は道の広さに押されて、旅がただの移動になりそうだった。だから南西へ曲がり、火上山の木立に入った。氷上姉子神社の参道は住宅地の向きから少し外れていて、そのずれが昔の時間を感じさせる。次に大高城跡へ進むと、堀と土橋の痕跡が草の下から現れ、地面そのものが歴史を隠し持っていた。そこからは予定を少し膨らませ、電車で有松へ。ゆるやかに曲がる東海道と絞商の町家を歩き、直線では拾えない町の厚みに寄り道した。戻って大高緑地の竹林を抜け、Cafe Tokiで窓の外を眺める。最後は木立の高みへ上がり、歩いた道を遠くから見直した。迷ったのではなく、迷える余白を拾ってきたのだと思う。

この旅の足跡

  1. 火上山の木立に入ると、住宅地の音が一枚だけ薄くなった。古い神社の参道が斜めに伸びていて、昔の道が今の町の向きをまだ少し決めているようだった。
  2. 大高城跡公園では、堀と土橋の痕跡が草の間に残っていた。華やかな城ではないのに、地面の起伏だけで兵糧を運んだ昔の緊張が少し想像できる。
  3. 有松の東海道は約800メートル、ゆるやかに曲がっていた。絞商の主屋や塀が連なり、道が観光用に整えられたというより、商いの癖をそのまま残している感じがした。
  4. 大高緑地の竹林散策路は、広い公園の中で急に音の粒を細かくする。120ヘクタールの大きさを忘れるほど道が細くなり、次の分かれ道を自分で選びたくなった。
  5. 南大高のCafe Tokiは、温かな照明と自家製スイーツの案内が印象に残る店だった。窓の外の通学路を眺めていると、旅の進路まで少し甘く考えられる。
  6. 最後に大高緑地の高みへ戻ると、木立の隙間から屋根と道路が重なって見えた。さっきまで迷っていた道が、上から見ると一枚の静かな模様になっていた。
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