LoqiRoam · 旅日記

花祭の熱を、渕の水音まで運ぶ

柿平から本郷の花祭文化と食、下田の温泉と蔦の渕へ進む、変化のある山あいの寄り道旅。

柿平では、まず駅前に答えを求めず、三輪川沿いの山道がどちらへ町を開いているのかを眺めた。東栄駅を移動の足場にして本郷へ向かうと、旅は急に文化の厚みを持つ。花祭会館の舞庭と衣装の展示は、静かな部屋の中に祭りの夜を立ち上げていた。そのまま本郷の食堂へ寄り、土地の若鶏を扱う店で、記憶を味覚に置き換える。午後は下田方面へ進み、とうえい温泉で一度歩幅をほどいた。最後に蔦の渕へ回ると、湯の余韻は水音にさらわれ、川筋と道路が谷の中で交差しているのが見えた。名所を集めたというより、静けさ、文化、食、湯、流れの順に気分が曲がっていった旅だった。

この旅の足跡

  1. 柿平の周辺は、駅名よりも三輪川沿いの集落と山道の向きが旅の手がかりになる。静かな出発なのに、どちらへ曲がるかで町の距離感が変わりそうだ。
  2. 東栄駅は山あいの移動拠点だが、駅前だけで終えると旅が薄くなる。ここから本郷方面へ向きを変え、集落の生活感を拾うことにした。
  3. 花祭会館には東栄町11地区の資料が展示され、中央の舞庭には衣装を着けた人形もある。静かな館内なのに、祭りの夜の熱が想像以上に近い。
  4. 本郷のやま正は東栄町産若鶏を扱う食事処として紹介され、昼と夜で営業時間が分かれる。展示の余韻を、土地の味で確かめたくなった。
  5. とうえい温泉は10時から21時まで営業し、館内では東栄町産のお茶や鮎なども味わえる。山道の疲れを湯でほどくと、次の景色が少し近くなる。
  6. 蔦の渕はとうえい温泉から近い下田の見どころで、川の流れが岩の間を落ちる。温泉の人工的な安心感から、急に水の力へ引き戻される感じが面白い。
  7. 蔦の渕の近くで谷を見下ろすと、緑だけでなく川筋と道路の線が見える。名所を見終えたというより、最後の曲がり角で町の構造を覗いた気分になった。
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