LoqiRoam · 旅日記
見えないもの、聞こえるもの、残るもの
小海線の最高所から電波望遠鏡、牧場、鉄道最高地点、清里の森と音楽へ。見えないもの・味・音の三つを拾う高原旅。
佐久広瀬を出ると、旅はまず小海線の高い場所へ向かった。野辺山駅の木製碑を見て、標高は数字なのに駅舎や唐松の森を通すと手触りになるのだと思う。そこから国立天文台へ歩くと、巨大な45m電波望遠鏡は星を直接見せるものではなく、見えない電波を集めていた。第一の発見は、見えないものにも輪郭があること。滝沢牧場では牧草地の風とアイスクリームの甘さに迎えられ、第二の発見は、土地の記憶が味や音に姿を変えることだった。線路沿いのJR最高地点では、標柱と鉄道神社を前に、最高地点なのに踏切の音が妙に親しげで可笑しい。清泉寮で森とヤマネの話に寄り道し、最後は萌木の村へ。オルゴールや店の灯りが木立に混ざり、第三の発見は、旅の終わりを景色ではなく耳でも選べることだった。高原を横切っただけなのに、出発時より世界の入口が少し増えている。
この旅の足跡
- 野辺山駅は標高1345.67mのJR最高所の駅で、流線型の洋館風駅舎が唐松の森に囲まれている。ホームの小さな標柱まで見つけると、駅が急に山の目印に見えてきた。
- 45m電波望遠鏡を中心に大小のアンテナが並び、構内は8時30分から17時まで自由見学できる。星が見えると思ったのに、見えない電波を集めていると知って、静けさの意味が変わった。
- 滝沢牧場では牧草広場や引き馬コースが楽しめ、夏季は売店や喫茶店、アイスクリーム工房も開く。アンテナの無音の世界から来ると、草を食む音がいちばん大きな発見だった。
- 野辺山と清里の間にあるJR最高地点は標高1375mで、木製標柱と石碑、鉄道神社が線路のそばにある。最高なのに大げさでなく、踏切の音だけが誇らしげに響く。
- 清泉寮ではジャージーハットが9時から17時、ヤマネミュージアムが10時から16時に開いている。赤い屋根の案内所を抜けると、濃い森の中に小さな生きものの話が待っていた。
- 萌木の村は清里の森にショップ、レストラン、オルゴール博物館が点在し、公式案内では通常10時から18時。木々の間から音楽と食事の気配が混ざり、旅の三つ目の発見が耳から来た。