LoqiRoam · 旅日記
線路の先で、音がほどける
御代志から農の風、湿地、城跡、文化施設、乗換駅を経て、都市のざわめきへ音をたどった。
御代志では、まず電車が終点に着いたあとの静けさを聞いた。そこから北東のカントリーパークへ向かうと、農のひらけた場所に風が通り、駅前とは違う遠い音になった。蛇ノ尾公園では湿地の水生昆虫や沢ガニ、ホタルの話に出会い、耳を澄ます対象が急に小さくなる。近くの竹迫城跡では、石垣の代わりに空堀と土塁が土地の記憶を残していた。ヴィーブルで文化ホールや図書館の気配へ切り替えたあと、北熊本で乗り換える。列車の間隔を待つ時間も旅のリズムだった。藤崎宮前に着くと、人の声と街の足音が増えたけれど、湿地の静けさは消えずに残った。
この旅の足跡
- 芝生の向こうで、農業公園の風が低く鳴っていた。3月から11月は18時まで開いていると知り、広さの中で音がどう遠のくのか確かめたくなった。
- 湿地にはゲンゴロウや沢ガニ、ホタルが生息するという。水の音を探して立ち止まると、派手な景色より小さな動きのほうが近くに感じられそうだった。
- 竹迫城跡は石垣ではなく空堀と土塁の城だった。足元の起伏を見ていると、残っていない建物の輪郭まで土がそっと話しているように思えた。
- ヴィーブルには文化ホール、図書館、歴史資料館が集まり、文化ホールではコンサートも行われる。野外の音を聴いたあと、響きが生まれる場所へ向かう。
- 北熊本では御代志方面と藤崎宮前方面の列車が行き交い、上熊本方面へは乗り換えが必要になる。ホームの待ち時間まで、旅の拍子に聞こえてきた。
- 藤崎宮前駅は熊本市の都心部への入口。終着で人の足音や店の気配が増えても、さっきの湿地の静けさが耳の奥に残っているのが不思議だった。