LoqiRoam · 旅日記

曲がり角の先で、水と古い時間に会う

文化施設から駅前の休憩を経て、三つの水の記憶をたどった高原旅。

長坂を出て最初に向かったのは、廃校の校庭に桜と十六角形の建物が残る文化の場所だった。展示を見るつもりが、建物の角から覗く山の輪郭に足を止められた。カフェが終わっていると知って少し予定がずれたが、そのぶん駅前へ戻り、喫茶店の候補を眺めながら町の普段の時間に混ざった。そこから小海線で高原側へ移動し、三分一湧水へ。三角石が水を分ける仕組みと、そば処や直売所の気配が、観光というより暮らしの設計図に見えた。さらに女取湧水へ歩くと、水源はフェンスの向こうに守られていた。見られないことにも理由がある。最後は大滝湧水公園へ向かい、神社の境内を落ちる冷たい水を聞いた。名所を順番に集めたというより、開かれた場所、閉じられた場所、そしてまた誰でも歩ける森へ、曲がり角ごとに旅の温度が変わっていった。

この旅の足跡

  1. 廃校の校庭に残る桜と、中央の十六角形の建物が不思議に響く。甲斐駒ヶ岳まで絵の一部に見えて、展示より先に空を見上げた。
  2. 桜の名所として知られる場所なのに、今日は建物の角と山の重なりがいちばん印象に残った。カフェ営業終了の案内には少し肩透かしを食らった。
  3. 駅から近い喫茶店を探すと、BENCHやみちくさの名が出てきた。大観光地ではない昼の町で、何を頼むか迷う時間まで旅らしい。
  4. 三角石で水を三方へ分ける仕組みが、今も森の中で静かに働いている。隣の資料館とそば処まで揃い、寄り道のはずが旅の芯になった。
  5. 女取湧水は名水百選の一つなのに、水源そのものはフェンスで守られ見学できない。見えない場所が町を支えていると思うと、道の音まで違って聞こえた。
  6. 大滝神社の境内で、木をくりぬいた樋口から水が落ち続けている。水温は年間約12度、森は涼しいのに、なぜか終着らしい温かさがあった。
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