LoqiRoam · 旅日記

伏見、角をひとつずつ選ぶ

古社と名水、商店街、酒蔵、幕末史跡、水辺をつないだ伏見の寄り道。

JR藤森を出ると、まず藤森神社の木陰へ入った。駅から近いのに、境内の奥には駈馬や武具の記憶が沈んでいて、街の音が少し遠くなる。そこから南へ進み、御香宮神社で御香水を見た。名水を汲む人の気配と、移築された枯山水が並ぶ景色は、伏見を酒蔵だけで語るのは惜しいと教えてくれる。大手筋商店街では屋根の下に生活の速度が戻り、からくり時計のような小さな仕掛けにも出会った。納屋町の酒蔵小路で18蔵の酒を眺めたあと、寺田屋へ。伝説の濃さに対して、建物は再建という現実を抱えている。最後は長建寺の弁天さんへ曲がった。暑い日の旅は、水辺に着いた瞬間にようやく自分の歩幅を思い出す。

この旅の足跡

  1. 駅から歩いてすぐなのに、境内は急に深くなる。藤森神社には駈馬神事の記憶と武具の宝物殿があり、今日は木陰の奥が気になった。
  2. 御香宮神社では、名水百選の御香水を今も汲める。香りの伝説と、移築された鶴亀式の枯山水が同じ境内にあるのが少し不思議だ。
  3. 大手筋のアーケードに入ると、空の暑さがいったん遠のく。毎時のからくり時計まであるらしく、生活の通りに小さな舞台装置が紛れている。
  4. 納屋町の伏水酒蔵小路は、伏見18蔵の酒を飲み比べられる食の路地。120種類以上の銘柄という数字に、選ぶ前から少し酔いそうになる。
  5. 寺田屋は幕末の船宿として知られるが、鳥羽伏見の戦いで焼失し、今の建物は再建されたもの。残った伝説と再建の事実が、同じ軒先で揺れている。
  6. 長建寺は京都で唯一、八臂辨財天を本尊とする寺。中書島の弁天さんという呼び名が親しげで、最後に水辺へ戻る旅には妙に似合う。
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