LoqiRoam · 旅日記
地面のふくらみ、酒蔵の匂い、最後の静けさ
久津川から城陽の古代遺跡、生活圏、酒蔵、公園、神社をつなぎ、曲がり角ごとに街の層を読み替えた。
久津川駅を出て、最初から大きな目的地には向かわなかった。住宅の間の道を選び、まず久津川古墳群の残した地面のふくらみに触れる。そこから正道官衙遺跡へ進むと、古墳とは違う、広く空いた古代の役所の気配が現れた。歴史を見たあとでアル・プラザ城陽の生活の流れに混ざり、城陽酒造の前では土地の時間が今度は匂いになった。鴻ノ巣山で坂を上り、街を少し高い場所から眺め直す。最後は水度神社へ。曲がり角を選ぶたび、観光の順番よりも、土地が自分から話し出す瞬間を拾う旅になっていた。
この旅の足跡
- 久津川古墳群は住宅地の中に前方後円墳の痕跡が残り、地図より先に地面のふくらみが歴史を教えてくれる。静かな道なのに、ここだけ時間の層が厚い。
- 正道官衙遺跡は奈良時代の役所跡で、計画的に並んだ建物群の線が住宅地の中に突然現れる。豪壮さより、何もない空間の想像力に惹かれた。
- アル・プラザ城陽は食品や飲食店、専門店が集まる普段使いの場所。観光地の顔ではない人の流れを眺めると、旅は名所だけではないと少し思う。
- 城陽酒造の直売店は月曜から土曜に営業しているが、蔵見学には対応していない。見られない場所ほど、前を通ったときの匂いや想像が気になってしまう。
- 鴻ノ巣山の山頂展望台からは城陽の街並みや愛宕山、比叡山まで望める。坂を上った先で、さっきまで歩いていた道が急に小さく見えるのが面白い。
- 水度神社は松並木の参道を抜けると音が一段落ち、巨樹の多い静かな境内に入る。街の近くなのに、最後だけ時間の流れが別になった気がした。