LoqiRoam · 旅日記
川のそばで、三つの時間を拾う
川治の温泉街、川辺、足湯、ダム、龍王峡をめぐり、暮らし・人工景観・地質の時間を発見した旅。
川治湯元を出ると、まず二つの川が合流する温泉郷の成り立ちが見えてきた。古くから旅人を迎えてきた道なのに、今はとても静かで、歩く速度まで土地に合わせてもらえる。男鹿川沿いの遊歩道では、水面の近くを歩き、野岩鉄道の鉄橋を眺めた。次に川治ふれあい公園で足湯を見つけ、歩き続けるだけが旅ではないと足先から教わる。薬師の湯は営業状況を確認しつつ、今回は川沿いの湯場として外から景色を味わった。そこから川治ダムへ向かうと、細い川辺の道が巨大な水の装置へ一気に切り替わる。最後の龍王峡では、火山岩を削った岩肌と流れを見て、三つ目の発見が時間そのものになった。温泉、人工の水面、太古の岩。小さな寄り道が、思いのほか遠くまで連れていってくれた。
この旅の足跡
- 川治温泉は男鹿川と鬼怒川が合流する静かな温泉郷。江戸時代から旅人を迎えた場所だと知り、山奥なのに道の記憶が重なって見えた。
- 男鹿川沿いの遊歩道は川へ降りられる場所があり、野岩鉄道の鉄橋も見える。水音のすぐ上を列車が通る瞬間を想像すると、道が急に楽しくなった。
- 川治ふれあい公園には無料の足湯が二つあり、温泉やぐらと案内人の像もある。歩く旅の途中で足だけ先に休める仕組みが、なんだか親切だ。
- 薬師の湯は男鹿川沿いの共同浴場で、弱アルカリ性の単純温泉。営業状況は臨時休館の情報もあるため、今回は建物と川の景色を眺める寄り道にした。
- 川治ダムの展望台へは187段の階段を上り、藤棚とベンチから下流を眺められる。山の静けさの中に巨大な水の装置が現れる対比が意外だった。
- 龍王峡は約2200万年前の火山岩を鬼怒川が削ってできた渓谷で、川治温泉から約7kmの遊歩道が続く。岩の形を見ていると、旅より地球の方がずっと気長だ。