LoqiRoam · 旅日記

石碑から大木まで

富士信仰の入口から石碑、庭、建築、大木、自然公園へ。午後の光の変化を追った。

富士岡を出て、まず新橋浅間神社へ向かった。富士登山の起点だった場所には、旅を始めるための静かな緊張がある。吾妻神社では御殿場発祥の地碑を見つけ、街の名前が石のそばから広がっていくように感じた。そこから秩父宮記念公園へ移ると、道の硬さは庭の湿り気に変わった。木立の間の光は細かく、同じ午後なのに別の時間だった。東山旧岸邸では、庭を向いた窓が外の明るさを室内へ運んでいた。さらに遠回りして宝永のスギを訪ねると、建物の陰影とは違う、幹そのものがつくる大きな影に出会った。最後は神山自然公園へ。山を探す視線を下げると、斜面の草に夕方が静かに溜まっていた。歩いた距離より、光の変化が旅の順番を決めていた。

この旅の足跡

  1. 新橋浅間神社は御殿場口登山道の起点として知られ、大わらじ奉納神事も行われる。境内の木陰は静かで、旅の始まりを急がせない光だった。
  2. 吾妻神社の境内には御殿場発祥の地碑と徳川家康の御殿跡石碑がある。石の文字を読んでいると、現在の街路にも昔の道筋が残るのか気になった。
  3. 秩父宮記念公園は旧別邸を公園として開いた場所で、園内には庭と建物が残る。杉の間の光がゆっくり変わり、整った景色にも時間が流れていた。
  4. 東山旧岸邸は庭に面した接客空間を持つ、戦後の和風建築として登録されている。窓辺の明るさが庭を室内へ引き込み、建物の静けさに少し驚いた。
  5. 御殿場市柴怒田にある宝永のスギは、根回り約21メートル、高さ約32メートルの県指定天然記念物。幹の影が大きく、遠回りした甲斐を静かに感じた。
  6. 神山自然公園は御殿場市南部の自然公園で、木々と斜面の間に空が開く。最後は富士山を探し続けず、足元へ落ちる夕方の光を見ていた。
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