LoqiRoam · 旅日記
水面から町家の格子へ
ハスの外堀から雁木、町家、寺、展望デッキへ。光の受け皿が変わるたび、歩く速度も変わった。
新井を出て高田へ向かい、最初に見たのは外堀のハスだった。夏の花は午前に開き、午後には閉じる。その時間の短さを知ると、水面に残る反射まで惜しく見えた。そこから雁木の下へ入る。空から届く光は屋根で削られ、通りに細い帯をつくっていた。町家交流館では格子越しに街を眺め、旧今井染物屋では高い吹き抜けにたまる明るさを見た。同じ古い建物でも、光の受け方が違う。寺の境内に入ると音がほどけ、最後は歴史博物館の展望デッキから三重櫓と遠い山を見返した。歩いた道が、景色の断片ではなく一つの町の呼吸としてつながった。
この旅の足跡
- 高田城址公園の外堀は約19ヘクタールをハスが埋める。午後には花が閉じると知り、開いた花より水面に残る淡い反射が気になった。
- 高田の雁木は雪国の通路であり、高田はその総延長が日本一と紹介されている。屋根の下では日差しが線になり、歩く速度まで変わった。
- 町家交流館高田小町は、高田の歴史ある町家を活用した休み処。格子の向こうで外の光が分かれ、通りの賑わいが少し遠くなった。
- 旧今井染物屋は江戸時代末期の大きな町家で、吹き抜けの高いチャノマが特徴。天井近くの光が、手仕事の時間を長く見せた。
- 浄興寺の境内には親鸞聖人本廟があり、雪国の風土に溶け込む本堂が残る。商店街の反射音が消え、白い空が広く感じられた。
- 上越市立歴史博物館は高田城址公園内にあり、屋上展望デッキから三重櫓や妙高山・米山を望める。展示の後、町が一枚の地図に戻った。