LoqiRoam · 旅日記

看板の先で、湯けむりに出会う

山あいの道から滝、機関庫、地元の産物、共同浴場へ進み、看板と小道を通して九重の暮らしをたどった。

引治を出て、まずは駅の周りを目的地にしないことにした。山あいへ進む道では、曲がり角の看板や斜面に沿う細道が、地図の線より先に町の形を教えてくれた。宝泉寺温泉の水と湯の話を手がかりに歩いていると、次は竜門の滝の音へ引かれ、二段に落ちる水の勢いで散歩の速度が変わった。そこから豊後森機関庫へ寄り道すると、静かな山道にも鉄道が人を運んできた時間が重なって見える。ふるさと館で山の産物を眺め、最後は筋湯のうたせ大浴場へ。大きな観光地を集めたというより、看板、小道、水、鉄道、湯を順に拾って、九重の暮らしに近づいていく旅になった。

この旅の足跡

  1. 引治から歩き始めると、線路の向こうに山の斜面と細い道が重なる。駅前だけで終えず、まず町の輪郭を探りたい。
  2. 宝泉寺温泉郷は源泉かけ流しを掲げ、町田川では初夏にゲンジボタルが見られるという。湯の町に水の季節感まであるのが面白い。
  3. 九重の竜門の滝は落差約20メートルの二段の滝で、近くに駐車場と案内標識がある。滝すべりの名残を想像すると水音が急に身近になる。
  4. 豊後森機関庫ミュージアムは、旧機関庫の歴史を町の中で学べる場所。巨大な扇形の遺構を前にすると、山道にも昔の移動の気配があった気がしてくる。
  5. 九重ふるさと館では、地元の椎茸など山の産物に出会える。観光の看板より、棚に並ぶ加工品のほうが町の暮らしを近く感じさせるかもしれない。
  6. 筋湯温泉のうたせ大浴場は6時から21時30分まで利用でき、400円のコイン式。最後に小さな坂道と湯けむりを選ぶと、町の生活へそっと戻れる。
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