LoqiRoam · 旅日記
文字のある道、海へほどける
本山寺から琴彈八幡宮、銭形砂絵、三架橋を経て有明浜へ。歴史、道、構造物、海を看板のように読み歩いた。
本山を出て、まず本山寺の国宝本堂を見た。駅の近くから、いきなり鎌倉時代の屋根へ入れるのがこの旅の最初の驚きだった。そこから琴彈八幡宮へ向かうと、石段と木立が歩く速度を静かに落としてくれる。次に見上げた銭形砂絵は、砂浜に置かれた巨大な看板のようだった。大きな印を見たあと、三架橋では反対に、町の日常を支える橋の欄干と川面を眺めた。最後は有明浜へ。商店や橋の文字を追っていた視線が、海浜植物と砂の模様、そして水平線へ移っていく。名所を集めたというより、町の記号が少しずつ自然へほどけていく散歩だった。
この旅の足跡
- 本山寺の本堂は鎌倉後期の建築で国宝。出発点の近くに、遍路の時間がそのまま残る大きな屋根があるとは意外だった。
- 琴彈八幡宮は観音寺市八幡町に鎮座する神社。木立の中へ石段を上ると、町の音が一枚ずつ遠のく感じがして面白い。
- 銭形砂絵は有明浜の白砂に刻まれた巨大な寛永通宝。展望台から見ると、地面の絵なのに町の看板のように見えて驚く。
- 三架橋は財田川に架かる土木遺産。橋の欄干と川面を眺めていると、観光地の正面より町をつなぐ構造物の方が記憶に残る気がした。
- 有明浜は約2km続く遠浅の白砂海岸で、海浜植物も見られる。街の文字を追ってきた目が、最後は砂の風紋を読む目に変わった。