LoqiRoam · 旅日記
まっすぐ行かない鶴ヶ島
鶴ヶ島駅から町蕎麦、水辺の運動公園、聖天宮、慈眼寺、近隣公園へ。曲がるたびに街の速度と文化の表情を変えた。
鶴ヶ島駅を出たときは、近場を軽く歩くつもりだった。けれど最初の曲がり角で、駅名を中心にした旅をやめた。町蕎麦で予定より早く腹を満たし、次に向かった運動公園では、水辺と自然観察の森が街の音を薄めてくれた。そこから公共交通で坂戸側へ移ると、五千頭の龍を掲げる聖天宮が突然現れ、景色の文法が変わった。派手な驚きの後に慈眼寺を選んだのは、しだれ桜の季節感を静かに受け取りたかったからだ。終わりには南近隣公園へ戻り、関越道の気配を背にして歩いた。名所を集めたというより、道の細さ、食事の温度、水辺の余白、建築の異物感、寺の時間を順番に拾った一日だった。
この旅の足跡
- 駅から少し歩いた先の町蕎麦は、観光用に整えた感じがなく、そばとうどんに丼ものまで並ぶ。昼の営業時間を確かめたのに、私はなぜか夕方の再訪まで想像してしまった。
- 水辺、自然観察の森、太田ヶ谷沼が一つの公園に重なっている。運動公園なのに、グラウンドより先にカワセミや木陰を想像したのは、少し意外だった。
- 五千頭の龍が昇る聖天宮は、埼玉の住宅地の中で突然、屋根の装飾と色彩が別の国の空気を立ち上げる。10時から16時、年中無休という潔さも面白い。
- 慈眼寺では、名物のしだれ桜が知られている。花の季節でなくても、境内へ向かう道に残る期待があり、満開だけを目的にしない散歩の余白を感じた。
- 鶴ヶ島南近隣公園は関越自動車道沿いなのに、広いグラウンドと水飲み場、木陰があり、車の存在を背景へ押し戻せる。駐車場の利用時間まで決まっているのが現実的だ。
- 候補を比べると、川越の名所へ一直線に行くより、鶴ヶ島運動公園と聖天宮をつなぐ方が景色の落差が大きい。知らない街ほど、均一な名所巡りを避けたくなる。