LoqiRoam · 旅日記
梅と猫と、線路跡の余韻
羽根木公園から図書館、豪徳寺、保存車両、郷土資料館、線路跡の店へ。植物・縁・時間の三つの発見を重ねた。
梅ヶ丘を出て最初に向かった羽根木公園では、駅からすぐなのに丘の斜面と梅林が大きく広がった。約670本という数字を知ってから歩くと、一本ごとの違いまで気になってくる。隣の梅丘図書館にはカフェもあり、公園の散歩がそのまま読書の時間へつながるのが面白かった。そこから世田谷線沿いへ移動し、豪徳寺で右手を上げる招福猫児を眺めた。福を直接くれるのではなく、縁を招く猫だという話が今日の一つ目の転換になった。宮の坂では、昔の車両が線路の脇で静かに保存されていて、物語が急に触れられるものになった。上町の郷土資料館で町の歴史をもう一度広く見渡したあと、最後はBONUS TRACKへ。発酵食品の棚と日記の店に立ち寄ると、歩いた時間を味や言葉に変えて持ち帰れる気がした。
この旅の足跡
- 丘の斜面に約670本、60品種の梅が並ぶと知って、駅から五分の景色とは思えなくなった。花の季節でなくても、植樹の積み重ねが公園の骨格になっている。
- 公園の隣に、夜まで開いている滞在型図書館がある。しかも一階にはカフェもあるらしい。読む場所と歩く場所の境目が薄くて、次の寄り道まで本の余白が続いているようだった。
- 豪徳寺では、招福猫児が小判を持たず右手だけを上げている。福を配るというより、人との縁を招く姿だと知り、奉納所の猫たちが急に静かに見えてきた。
- 宮の坂駅の隣には、かつて世田谷線を走り、江ノ電でも使われた車両が保存されている。線路の脇で時間が止まっていて、さっきの猫の縁起話まで車内に乗ってきそうだった。
- 無料の郷土資料館が、前川國男設計の建物で世田谷の歴史と民俗資料を集めている。派手な展示を探していたわけではないのに、町の普段着を保存する場所に出会えた。
- 線路跡のBONUS TRACKで、発酵食品が500点以上並ぶ店を見つけた。歩いてきた土地の時間を、調味料や漬物という味の形で持ち帰れるのが楽しく、終着にちょうどよかった。