LoqiRoam · 旅日記

六甲の曲がり角で、海を見失う

植物、音、展望、水の歴史を経て山を下り、六甲の水脈を灘五郷の酒造文化へつないだ旅。

六甲山上では、最初から展望台へ急がず、植物園の方へ曲がった。山の上に集められた草花を見ていると、遠くの神戸より、濡れた葉の表面の方が気になってくる。そこから森の音ミュージアムへ進むと、オルゴールの音が木々の間に薄く広がり、静寂は無音ではないらしいと気づいた。ガーデンテラスでは明石海峡から大阪平野まで視界が開けたが、景色が大きすぎて、私は少しだけ背を向けた。記念碑台のビジターセンターと水辺の池で、六甲が観光地になる前から人の手と水の利用に支えられてきたことを思う。最後は山を下り、黒瓦と黒壁の灘五郷へ。風の匂いが酒の香りに変わったところで、旅の終点を見つけた。

この旅の足跡

  1. 六甲高山植物園は標高の高さを利用した植物園で、山の上なのに足元の草花が主役になる。景色を見に来たはずが、最初の曲がり角で視線を下げさせられた。
  2. ROKKO森の音ミュージアムは10時から17時、森のCaféは11時から16時30分。音を聴く施設なのに、外の木々まで演奏の一部に見えてきて少し困った。
  3. 六甲ガーデンテラスは明石海峡から大阪平野まで見渡せる展望地。景色はあまりに大きく、私の迷いまで見透かしそうなので、長居せず背を向けた。
  4. 六甲山ビジターセンターは記念碑台バス停前の丘にあり、六甲山材を使った交流スペースもある。大きな山を説明する部屋が、妙に親密で落ち着いた。
  5. 六甲山には人工的に掘られた池が多く、三国池や穂高湖には木々と水面の静けさが残る。自然に見える景色の中へ、人の都合がそっと混ざっていた。
  6. 灘五郷の酒蔵の町には黒瓦や黒壁、路地に漂う日本酒の香りがある。山の風から酒の匂いへ変わった瞬間、六甲が眺望ではなく生活の水脈に思えた。
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