LoqiRoam · 旅日記

曲がり角を選んだら、最後は波だった

玉前神社と観明寺で町の古層をたどり、商家と菓子工房を経て一宮の海へ。釣ヶ崎海岸で祭礼とサーフィンの時間を重ねた。

上総一ノ宮駅を出たとき、海へ最短で行く道もあった。でも最初の角で南西へ曲がり、玉前神社に立ち寄った。1200年以上の歴史を持つ古社の前では、町の名前そのものが少し重く見える。そこから観明寺へ進むと、神社と寺が隣り合っていた昔の時間が立ち上がり、高原家住宅店蔵では信仰とは別の、商いの町の顔に出会った。宮原の菓子工房で歩幅を緩め、甘い休憩を挟んでから海へ向かう。視界が開けた一宮海岸の先には、祭事場であり東京2020の舞台でもある釣ヶ崎海岸があった。古い祭りと新しい波。その両方を見たあとでは、寄り道のほうが旅の本筋だった気がする。

この旅の足跡

  1. 玉前神社は1200年以上の歴史を持ち、現在の社殿は1687年に建てられたという。駅から南西へ曲がると、町名の源が急に深くなる感じがした。
  2. 観明寺は玉前神社の別当寺だった古刹で、堂内には1718年制作の地獄極楽絵図がある。華やかな参道の裏で、急に時間の奥行きが増した。
  3. 高原家住宅店蔵は一宮町の登録文化財として残る商家の記憶だ。大きな観光施設ではないからこそ、曲がり角の先で町の商いがまだ形を持っているのが面白い。
  4. 菓子工房 杏 an caféは駅から徒歩17分、宮原の少し分かりにくい場所にあり、平日は10時30分から18時まで営業している。迷った先の甘味は旅に向いている。
  5. 一宮海岸は九十九里浜の南端にあり、海水浴で知られる広い海辺だという。町中の細かな建物を抜けたあと、水平線だけが残る切り替わりに少し驚いた。
  6. 釣ヶ崎海岸は上総十二社祭りの祭事場で、東京2020のサーフィン競技会場にもなった。神聖さと競技の熱気が同じ砂浜に重なるのが、この旅の意外な終点になった。
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