LoqiRoam · 旅日記
川のほうへ曲がる
佐久駅から地域の記憶、佐久橋、林内公園、天塩川をつなぎ、道の曲がり方を手がかりに集落と自然の距離を感じた。
佐久駅を出たとき、今日は駅前をきれいに歩き切る旅にはしないと決めた。駅と地域の伝承が結びついていることを知り、まず線路のそばで町の記憶に触れる。それから佐久橋へ向かった。道は川へ近づいたり離れたりし、橋の上では集落が水辺に沿って生まれた理由が、説明板より先に風景として見えてくる。橋を渡ると、佐久地区憩が森公園の静けさに引かれた。東屋と木々の間で鳥の声を待っているうち、線路の音が遠くなった。帰りは近道をせず、林の縁を少し迷いながら天塩川の側へ戻る。大きな流れの前で旅は急に広くなったが、最後に覚えていたのは川そのものより、川へ向かう途中に選んだ小さな曲がり角だった。
この旅の足跡
- 佐久駅は無人駅なのに、駅舎だけで旅が終わらない。地域の伝承を受け止める場所でもあると知り、まず線路の脇で町の記憶を想像した。
- 佐久橋へ向かう道では、線路と川の距離が近づいたり離れたりする。橋はただの通過点のはずなのに、集落が川沿いに育った理由を少しだけ見せてくれる。
- 林の中の佐久地区憩が森公園は、派手な設備より静けさが主役だ。東屋の先で鳥の声を待つと、さっきまでの線路の音がずいぶん遠く感じられた。
- 佐久の林道は、目的地へ急ぐより曲がり方を眺めたくなる。木々の隙間に集落がちらつき、森が町を隠しているのか、町が森に寄り添っているのか分からなくなった。
- 天塩川の近くでは、見えるものより風のほうが先に川を知らせる。流れは大きく、周囲の道は驚くほど控えめだ。景色に飲まれず、もう一度小さな曲がり角を探した。