LoqiRoam · 旅日記
尼崎、曲がり角の先へ
商店街から神社、寺町、再建城、旧校舎の博物館を経て、大物川緑地へ抜ける尼崎の時間旅行。
尼崎では、最初から城へ向かわなかった。まず三和本通のアーケードに入り、衣食住の店が並ぶ約500メートルを歩いた。買い物客の流れに混じっていると、旅というより街の呼吸を借りている感じがする。そこから尼崎えびす神社へ折れると、古い創建伝承の境内にステンドグラスのえべっさんがいて、商いの町に意外な光が差した。寺町では11か寺の静けさに足音を合わせ、本興寺や長遠寺の名を確かめながら、道の角ごとに違う門を眺めた。やがて再建された尼崎城が現れ、古い寺町のあとに白い天守が出てくる時間のずれに少し笑ってしまう。歴史博物館では旧高等女学校の回廊型校舎そのものが記憶を抱えていた。最後は大物川緑地へ。桜と野外能舞台の話を知ってから水辺を歩くと、今日見た街の断片が静かに並び替わっていった。
この旅の足跡
- 約500メートルに衣食住の店が連なる三和本通。古い店と新しい店が同じ屋根の下にいて、買い物の通りなのに小さな迷路みたいだ。
- 尼崎えびす神社は古い創建伝承を持ち、社務所にはステンドグラスのえべっさんがある。商売の街に、思いがけず光の細工が潜んでいた。
- 寺町には11か寺が約3.9ヘクタールに集まり、本興寺や長遠寺には重要文化財も残る。静かなのに、角を曲がるたび歴史が濃くなる。
- 尼崎城は2019年から一般公開される再建の城。寺町の古い瓦のあとに白い天守が現れ、時間が一度跳ね返ったように感じる。
- 南城内の歴史博物館は旧市立高等女学校の回廊型校舎を生かしている。城跡の隣で、建物そのものが展示物のように黙っている。
- 大物川緑地は春に桜を眺めて歩け、野外能舞台では尼崎薪能も開かれる。旅の終わりに水辺へ出ると、街の音が少し遠くなる。