LoqiRoam · 旅日記

川音から宇宙の皿へ

海尻の城跡と寺から川沿いを歩き、温泉と松原湖を経て野辺山の電波望遠鏡へ向かった。

海尻では、駅前を目的地にせず、最初の曲がり角で海尻城跡へ向かった。小高い場所に曲輪が重なる史跡は、近いのに道の表情を急に変える。そこから医王院薬師寺へ下り、戦の記憶と寺の静けさが同じ集落の中に重なっていることを感じた。千曲川へ向かう細道では、古い絵図に描かれた段丘や橋の向きを想像しながら歩いた。海ノ口温泉でひと息ついたあとは、小海線と道をつないで松原湖へ。流れる川から、木々に囲まれて留まる湖へ景色が変わり、旅の速度も落ちた。最後は野辺山宇宙電波観測所へ向かった。45メートルの皿は黙って空を向いているのに、こちらの疑問だけを大きくしていく。今日は名所を順番に消化したというより、土地の記憶、湯、水面、電波の順に、曲がり角のたび視界をずらしていった旅だった。

この旅の足跡

  1. 海尻城跡は小高い山に曲輪が重なる史跡で、駅から歩ける近さなのに急に戦国の地形になる。見上げた先の道が本当に城の入口なのか、少し迷った。
  2. 医王院薬師寺は海尻528にあり、城跡の歴史と重なる寺として紹介されている。細い入口を見つけた瞬間、さっきの山道が信仰の道にも見えてきた。
  3. 海尻の古い絵図には千曲川の段丘、橋、街道、城跡が描かれている。いまの集落を歩くと、川へ下る道の向きに昔の交通の癖が残っている気がした。
  4. 海ノ口温泉は南牧村役場付近にあり、山の中で温泉地らしい休息の選択肢になる。道の冷たさを感じたあとなら、湯の存在だけで少し安心する。
  5. 松原湖はナラやカラマツに囲まれ、八ヶ岳を映す湖面が魅力だという。海尻の川沿いから来ると、水が流れる景色から留まる景色へ切り替わるのが面白い。
  6. 野辺山宇宙電波観測所では45m電波望遠鏡などを自由見学でき、通常は8時30分から17時まで公開されている。巨大な皿が何を聞いているのか、最後まで気になった。
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