LoqiRoam · 旅日記

音の薄い場所、音の残る場所

木立、図書館、江戸期の社殿、水辺、川の合流点をつなぎ、暮らしの中の静けさをたどった。

安部山公園の木立から歩き始めた。桜で知られる斜面は、花の季節を外しても道の傾きと枝の重なりが歩調を自然に遅くする。そこから若園の図書館へ移ると、静けさは森のものだけではなく、本を探す人や椅子を引く音を含んだ生活の形だと感じた。午後は蒲生八幡神社へ向かった。本殿と幣殿が独立して並ぶ境内には、説明を読まなくても時間の厚みが現れていた。帰り道は下曽根中公園で小さな川の気配を想像し、最後に吉田太陽の丘公園へ。二つの川が合流する河畔の芝生を眺めていると、静けさは音が消えることではなく、音と音の間に自分の感覚が戻ってくることなのだと思った。

この旅の足跡

  1. 山すそに桜約400本が連なる公園は、花の季節でなくても斜面と木立の奥行きがある。駅前の通過点と思っていたが、歩き始める場所として十分に静かだった。
  2. 若園の図書館は平日19時まで開いていて、街の中に長く滞在できる静かな居場所がある。公園の外の音が本棚の間でどこまで薄まるのか、少し確かめたくなった。
  3. 蒲生八幡神社では本殿と幣殿が江戸期の姿をとどめ、社殿が独立して並ぶ。観光の派手さより、長い時間が境内の配置に沈んでいることが印象に残った。
  4. 下曽根中公園は住宅地の駅近くにありながら、鳥の声と小さな川のせせらぎが聞こえるという。人の少ない日にベンチへ座る想像をすると、静けさは無音ではないと分かる。
  5. 吉田太陽の丘公園は吉田川と竹馬川の合流する河畔にあり、芝生広場で散策できる。二つの流れが一つになる場所で、今日の寄り道もようやくまとまった気がした。
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