LoqiRoam · 旅日記

赤城山麓で、三つの小さな時間旅行

大間々の古い建物、渓谷、小平の鍾乳洞、岩宿の地層をつなぎ、町・水・地下・太古の四つの時間を歩いた。

新里の座標から出発して、大間々の町へ向かった。最初に出会ったのは、大正期の銀行建築を使った博物館と、名前の由来にもなった極小の微化石。建物の大きさと化石の小ささが同じ部屋にあるのが可笑しくて、町の時間は一枚ではないのだと思った。蔵を改装したカフェで甘い休憩を挟むと、旅は観光地めぐりから暮らしの気配を拾う散歩に変わった。高津戸峡では橋を渡り、短い遊歩道の先でゴリラ岩を探した。岩がそう見えるかはさておき、川の音が町の音をきれいに消してくれた。さらに小平の里へ足を伸ばすと、鍾乳洞の中だけ季節が違う。最後は岩宿へ戻り、博物館の休館情報を確認しつつ、岩宿ドームの赤い地層断面を眺めた。微化石、渓谷の岩、地層の赤。三つの発見はどれも小さいのに、見ている時間だけはずいぶん長かった。

この旅の足跡

  1. 大正10年築の旧大間々銀行を使った館内で、1ミリにも満たない微化石が主役になっていた。建物と化石の時間差が面白く、なぜこの小ささが町の愛称になるのか気になる。
  2. 蔵を改装したcafe蔵八では、豆の産地や焙煎の違いを選べるらしい。古い町家の静けさで飲む一杯は、観光地の休憩より土地の暮らしに近そうで、干し芋のプリンも気になる。
  3. はねたき橋から高津戸橋まで約500メートルの遊歩道が続き、ゴリラ岩まで現れる。短い距離なのに渓谷の表情が急に深くなり、岩が本当に動物に見えるか確かめたくなる。
  4. 小平の里の鍾乳洞は全長93メートル、洞内温度は年間13〜15度で、自然のエアコンのようだという。入口から暗さに目が慣れるまでの数歩が、季節をまたぐ小さな転換になりそう。
  5. 岩宿博物館は、1949年の発掘で日本列島の旧石器時代への見方を変えた場所に建つ。ただの展示室と思って入ると、石器の小ささが歴史の大きさを急に実感させる。
  6. 岩宿ドームでは、岩宿遺跡B地点の地層断面をはぎ取った標本として見られる。土の赤い層が静かに残っていて、石器を探した人の視線を今日の道から想像してしまう。
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