LoqiRoam · 旅日記

王子保から、駅前の色を拾う

王子保を起点に、芝生、町家、文学の水辺、刃物の火と鉄、越前そばへ色の変化を追った。

王子保駅に降りたとき、朝の駅前は思ったより静かだった。花壇の小さな色を見つけて、今日は名所を急いで回るより、町の色が変わる順番を追おうと決めた。武生中央公園では芝生と遊びの明るさに包まれ、歩く足が軽くなった。そこから絵本作家の生まれた家へ寄り道すると、外の緑は町家の木と紙の淡い色に変わった。紫式部公園の池と釣殿では、古い物語の形に今日の雲が映っていた。後半はタケフナイフビレッジへ向かい、景色が火と鉄の光へ急に転換した。最後に越前そばの里で香りと湯気に足を止める。駅前から遠ざかったのに、集めた色は越前の暮らしへ近づいていた。

この旅の足跡

  1. 王子保駅の朝は静かで、駅前花壇の季節の花が小さな色を添えている。通過するだけの駅に見えたけれど、今日はここから町の色を拾ってみたい。
  2. 武生中央公園は芝生の広がりと、かこさとしの絵本世界を思わせる遊びの場が同居する。駅前の硬い灰色から、子どもみたいな明るい緑へ変わるのが楽しい。
  3. ちひろの生まれた家記念館は、大正時代の町家の趣を復元し、絵本やアトリエの記憶に触れられる。外の緑から中の淡い紙色へ、景色が静かに変わった。
  4. 紫式部公園には池をめぐる寝殿造の釣殿や歌碑があり、平安の形を今の空の下で眺められる。水面は古そうなのに、映る雲は今日のものだった。
  5. タケフナイフビレッジは越前打刃物の製造販売と工場見学ができる場所。木や水の色を見たあとに、金属の光と職人の熱が急に現れて驚いた。
  6. 越前そばの里では、そば工場の見学と食事ができる。一日約五万食を作る規模を知ると、目で集めた旅の色が最後に黒いそばの香りへ着地する感じがした。
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