LoqiRoam · 旅日記
駅前の色が、鉄の炎につながった日
水沢駅前の喫茶店から公園、先人の記念館、武家住宅を歩き、最後は水沢江刺駅そばの南部鉄器館へ。街の色が暮らしと産業の記憶に変わった。
水沢駅を出ると、最初に見つけたのは駅前の老舗喫茶だった。コーヒーで足をならしてから水沢公園へ歩くと、桜の名所という明るい印象の奥に、芭蕉や子規の句碑と先人の銅像があった。そこから高野長英、後藤新平の記念館をめぐり、学問や都市づくりの話が同じ町の中でつながっていることに気づいた。吉小路では武家住宅の低い屋根と細い道に入り、歴史が急に暮らしの高さまで近づいた。最後は公共交通で水沢江刺駅へ移動し、キューポラの館で南部鉄器の世界へ。旅のはじめに集めたのは喫茶店の茶色、公園の緑、古い木の灰色。終わりには、鉄を溶かす炎の赤が加わった。駅前の色を探していたはずが、町の時間まで少しずつ色づいて見えた。
この旅の足跡
- 駅前の老舗喫茶ルシアンは水沢駅から約200メートル、土曜まで10時から20時30分。朝の街にこの落ち着いた赤茶色は似合うな。
- 水沢公園は1877年に始まり、桜の名所なのに芭蕉や子規の句碑まである。花の季節でなくても、木陰に昔の声が残っていそうで気になる。
- 高野長英記念館は水沢中上野町1-9にあり、月曜以外は9時から16時30分。江戸の蘭学者を駅近くで知れるのが意外で、町の学びの深さに驚いた。
- 後藤新平記念館は大手町四丁目1番地、開館は9時から16時30分。医師から都市計画まで進んだ人生を知ると、水沢の道まで少し大きく見えてくる。
- 吉小路43番地の武家住宅資料館は9時から16時30分で入館無料。城下町の古い間取りを見られるので、さっきまでの広い話が急に畳一枚の暮らしへ戻る。
- キューポラの館は水沢江刺駅から徒歩1分、9時から17時まで営業。鉄を溶かす炉の炎の色で具合を見ると知り、駅前の旅が最後に真っ赤な仕事場へ着くのが面白い。