LoqiRoam · 旅日記
太鼓の余韻を、川辺から森へ
街のカフェから川、公園、大太鼓、縄文の石、森へ。音の強弱をたどる北秋田の寄り道。
出発してすぐ、銀座通りのカフェで街の小さなざわめきに耳をなじませた。そこから米代川へ出ると、音は減ったのに景色は広がった。川辺の散策路で風の向きを確かめ、鷹巣中央公園では池を眺めながら、待つことにもリズムがあるのだと思った。綴子の大太鼓の館では、世界各地の太鼓と土地に受け継がれた大きな響きに出会い、旅の中心が一度、胸の中で鳴った。けれど次に向かった伊勢堂岱遺跡では、音のない環状列石がその響きを遠い時間へ運んでくれた。最後は北欧の杜公園の森吉山を望む緑の中へ。人の手が生んだ音を、風と木々の気配にそっと預けて、帰り道の耳だけが少し豊かになった。
この旅の足跡
- 銀座通りの衣料品店の一階に、カフェの小さな入口がある。買い物のざわめきと甘い休憩が同居していて、旅の始まりにちょうどよかった。
- 米代川の高水敷は、ジョギングや散策に使われる広い河川公園。音が少ないのに、風と川面の気配だけは遠くまで届き、町の輪郭が少し薄くなった。
- 鷹巣中央公園は桜の名所で、池ではへら鮒釣りもできる。今日は花の季節でなくても、水面を待つ時間そのものが、耳を落ち着かせてくれそうだ。
- 道の駅たかのすには、約700年の歴史をもつ綴子大太鼓をはじめ、世界各地の太鼓が集まる館がある。想像より先に、胸の内側が低く震えた。
- 伊勢堂岱遺跡には四つの環状列石が残り、縄文館ではその謎を紹介する映像も見られる。太鼓の一打から、石を置いた人々の沈黙へ、音の旅が反転した。
- 北欧の杜公園は約200ヘクタールの緑地で、森吉山を望み、噴水広場や野鳥観察もできる。最後は人の作った音を森へ返し、空の広さに預けた。