LoqiRoam · 旅日記
風の音へ、町の音から
森林、古道、食、水、干拓地をつなぎ、津幡の音の遠近をたどった旅。
中津幡を出たときは、行き先よりも、どんな音が待っているのかを知りたかった。まず森林公園へ入り、落ち葉を踏む音と木々のざわめきに歩幅を合わせた。倶利伽羅へ向かうと、森の静けさに古道の記憶が重なり、風にも方向があるように感じられた。道の駅では湯気と器の音に包まれ、旅が土地の歴史だけでなく、今ここで暮らす人の時間にも触れていると気づく。さらに山あいの滝の谷霊水では、水の音を聞きながら、耳にまつわる伝説を思い出した。最後に干拓地へ下りると、空が大きく開け、山で集めた静けさが花畑の明るさへほどけていった。名所を並べたというより、音の遠近を歩いてきた一日だった。
この旅の足跡
- 森の奥では、足元の落ち葉と枝の擦れる音が会話の代わりになった。広い里山の中なのに、町の気配が遠く消えきらないところが不思議だった。
- 倶利伽羅の山道では、風が斜面をなぞるたび見えない川のように流れていった。源平の古戦場を思うと、静けさにも長い記憶がある気がした。
- 道の駅の食事処では、湯気の向こうから器の触れ合う音がした。倶利伽羅峠の入口で、山の静けさから人の営みへ戻れる場所だと感じた。
- 滝の谷霊水は、国道の気配のすぐそばで斜面から静かに湧いていた。耳が聞こえるようになったという伝説を知り、水の音をいつもより真剣に聞いた。
- ひまわり村の干拓地は、季節になると約35万本の花と迷路で一面が明るくなる。広い空の下では、風に揺れる花の音まで聞こえそうで、山道の終わりが急に開けた。