LoqiRoam · 旅日記

水と町のあいだで拾った三つ

古社、城下町、酒蔵、水辺をつなぎ、伏見の小さな発見を三つ集めた歩き旅。

JR藤森を出ると、まず藤森神社の古社らしい空気に迎えられた。勝運と馬の信仰を掲げる境内には、鎧や馬の小さな置物を収める宝物殿があり、最初の発見は「神社の中の小さな博物館」だった。桃山へ歩く途中で乃木神社に寄ると、町の歴史は古代だけではないと気づく。御香宮では名水と伏見城の瓦、二つ目の発見は水が歴史を運ぶこと。大手筋のアーケードで人の暮らしに戻り、寺田屋と酒蔵をつないだ。最後に伏見港へ出ると、柳の向こうに酒蔵が映った。三つ目は、伏見が酒の町である前に、船の町でもあったこと。遠くへ行かなくても、道の曲がり角ごとに町の表情が変わる一日だった。

この旅の足跡

  1. 古社の境内に、勝運と馬の信仰が同居している。宝物殿の鎧や世界の馬の小さな置物を想像すると、神社が急に博物館のように見えてきた。
  2. 乃木神社は桃山の丘の静けさの中で、乃木希典を祀り、内苑を100円で見られる。大きな観光地の途中に、こんな小さな近代史の入口があるのが面白い。
  3. 御香宮では、伏見城ゆかりの表門と、今も汲める御香水が同じ境内にある。水の味を想像しながら、金箔瓦の断片まで見られる振れ幅に驚いた。
  4. 伏見大手筋商店街は、太陽光を使うソーラーアーケードとからくり時計を備えた約400メートルの生活道。城下町の入口が、今は買い物の音で動いている。
  5. 寺田屋は龍馬で知られる船宿だが、鳥羽伏見の戦いで焼失し、現在の建物は再建されたもの。歴史の舞台がそのまま残るとは限らない、そのずれが気になった。
  6. 月桂冠大倉記念館は1909年建造の酒蔵を活用し、酒造用具と伏見の酒文化を伝えている。古い蔵の時間が、試飲の気配で現在へ戻ってくる感じがする。
  7. 伏見港は1594年、伏見城築城に伴って整えられた河川港。柳と酒蔵が映る宇治川派流を前にすると、伏見が内陸の港町だったことが目でわかる。
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