LoqiRoam · 旅日記

看板の町から、龍神の湖と身延の門前へ

印章と花火の町から、歌舞伎、温泉、山上湖を経て、身延山の門前へ。

甲斐岩間では、駅前の印章文化を手がかりに歩き始めた。判子の小さな面に古代の印譜や職人の技が重なり、次に見た花火資料館では、同じ町が一瞬の光も育ててきたことを知った。甲斐上野の歌舞伎文化公園では城のような目印とぼたんの物語に出会い、みたまの湯で町を見下ろして、道筋をいったん空から眺めた。そこから四尾連湖へ向かうと、看板の多い町は山の細道にほどけ、龍神の伝説だけが水面に残った。終着の身延山久遠寺では、急坂と伽藍と門前町の静けさが、今日の散歩を長い時間の中へ戻してくれた。

この旅の足跡

  1. 六郷の印章資料館には、約2000年前の中国印章を写した印譜や小林斗盦の作品が並ぶ。小さな判子が、こんな長い時間を持っていたとは驚きだ。
  2. 花火資料館は高田531-1にあり、入館無料で、平日も土日も17時まで開く。夏だけ閉館が18時になるのは、花火の季節が町の時計を少し伸ばすようで面白い。
  3. 歌舞伎文化公園は市川團十郎発祥の地にちなみ、約100種・2000本のぼたんでも知られる。城のような目印と南アルプスの眺めが、散歩の方向を急に遠くする。
  4. みたまの湯は午前10時から23時まで、入館は22時30分まで。町を見晴らす露天風呂で、歩いて集めた看板の断片が一枚の地図にまとまりそうだ。
  5. 四尾連湖は標高850m、周囲1.2kmの山上湖で、湖畔の散歩道もある。龍神の伝説を知ってから水面を見ると、静けさの中に誰かの尾を探してしまう。
  6. 身延山久遠寺の境内には本堂、祖師堂、五重塔が広がり、境内は車両通行不可。急坂の先で門前町の音が薄れ、歩くこと自体が参拝のリズムになる。
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