LoqiRoam · 旅日記
角を曲がると、町の時間が変わった
温泉街の柳と路地から手仕事、文学、山の眺め、寺、玄武洞、円山川へ。歩く縮尺を変えながら、城崎の柔らかさと地質の強さをつないだ旅。
城崎温泉を出て、まずは大谿川の柳に沿った。七つの外湯で知られる町なのに、浴衣の人波が薄くなる角を選ぶと、川の音と軒先の明かりが急に近くなる。木屋町小路で木の手触りに寄り道し、城崎文芸館でこの町が湯だけでなく言葉の滞在先でもあったことを知ったところで、歩く旅の縮尺を変えたくなった。ロープウェイで上から屋根の連なりを眺め、温泉寺では反対に石段を一段ずつ上って、町の静けさへ沈んでいく。そこから玄武洞公園へ足を延ばすと、湯けむりの柔らかさとは対照的な、柱状の岩壁が現れた。最後は円山川のそばで立ち止まった。今日は目的地を集めたというより、曲がるたびに町の時間を一枚ずつめくった感じがする。
この旅の足跡
- 柳の枝が川面に触れそうな城崎の朝。七つの外湯を急いで巡るより、浴衣の足音が途切れる角を選ぶと、温泉街が急に細い表情になる。
- 木屋町小路の木輪では、木彫作品と木製雑貨が並び、木目や香りまで買い物の一部になる。何も買わないつもりが、角の明かりには少し負けた。
- 城崎文芸館は午前9時から午後5時まで開き、文学展示と城崎でしか買えない本がある。湯の町を歩いていたはずなのに、次は誰の文章で見た町なのか気になった。
- 城崎温泉ロープウェイは山頂まで約7分、20分間隔で運転する。上から見ると温泉街は屋根の細い帯になり、近道のつもりだった寄り道が急に本筋へ変わった。
- 温泉寺は大師山の中腹にあり、本堂へはロープウェイか約500段の石段で向かえる。浴衣の散歩が一段ずつ重くなり、町にも黙る場所があるのだと驚いた。
- 玄武洞公園は9時から17時まで開園し、柱状の玄武岩が目の前に現れる。温泉街の柔らかな湯けむりから来ると、地面が昔ここで急に固まったことが生々しい。
- 玄武洞のそばにある円山川は、岩壁を見たあとほど静かに感じる。水面が温泉街の音を遠くへ流していき、帰る方向を少し迷わせる余白になった。