LoqiRoam · 旅日記
水面から城山へ
湧水、城下町、古民家の庭、木陰の遊歩道をつなぎ、最後に越前大野城から町の光を見渡した。
下唯野を出て、越前大野の水へ向かった。本願清水では、光そのものより先に、底を横切る小さな影を探した。七間清水では地下水が暮らしの道端に現れ、七間通りでは軒の影と店先の明るさが交互に続いた。古民家を生かしたCOCONOアートプレイスで一度視線を室内へ沈め、池と石組の静かな反射を見たあと、亀山公園の坂へ戻る。最後は越前大野城の高み。水面の近くで拾った光が、屋根の向こうへ薄く広がっていく。遠くへ来たというより、同じ町を高さと陰影を変えて読み直した一日だった。
この旅の足跡
- 本願清水では、冷たい湧水のそばにイトヨの生息地が残る。水面のきらめきより、小さな魚が影を横切る瞬間を待ちたくなった。
- 七間清水は酒造にも使われる地下水を街角で汲める水場。通りの明るさの中に、地面の下から来た冷たさが静かに混じっていた。
- 七間通りは400年続く城下町の商店街で、朝市には野菜や花が並ぶ。今日は店先の軒影に、昼の強さが細く割れて見えた。
- 築約120年の古民家を改修したCOCONOアートプレイスには、保存された池や石組がある。展示より先に、庭の水滴のような石に目が止まった。
- 亀山公園は遊歩道のある自然豊かな公園で、春は桜、秋は紅葉が見られる。夏の木陰では、坂道の白さが葉の間で途切れた。
- 越前大野城は亀山の山頂にあり、百間坂はかつて城へ向かう唯一の登り口だった。頂上では、町の光が急に薄く遠のいた。