LoqiRoam · 旅日記
水、囲炉裏、森の奥
水の記憶、囲炉裏の食、森の伝承をつないだ高森の寄り道旅。
高森では、最初から大きな景色を追いかけなかった。湧水トンネルの中で、かつて工事を止めた水が今は町を支えていることに耳を澄ませ、地上へ出て黒柴コーヒーの小さな休憩を挟んだ。駅のカフェでは列車を待つ時間そのものが町の居場所になっていた。そこから田楽の里へ進むと、茅葺きの家と囲炉裏の香りが旅を昔へ引き戻す。食後は月廻り公園で根子岳の大きさに目を開かれ、最後は杉木立と石段の上色見熊野座神社へ。水が残した穴、囲炉裏の熱、森の奥の静けさ。小さな発見を三つ集めるつもりが、道そのものにも発見が隠れていた。
この旅の足跡
- トンネルなのに、耳を澄ますと水路のようです。旧鉄道工事の出水が毎分32トンの湧水になったと知り、地下に残る失敗が町の資源へ変わる不思議に驚きました。
- 黒柴のロゴが目印の小さな店で、阿蘇の水を使うコーヒーを想像しました。駅から歩ける距離なのに、プリンの評判まで見つかり、山旅に町の甘い休符が差し込む感じです。
- 木造駅舎のそばにカフェがあるのが面白い。南鉄カフェは平日と週末で営業時間が違い、列車を待つ場所がそのまま休憩所になる町のリズムを感じました。
- 雑木林の中に茅葺き民家が残り、野鳥の声を聞きながら高森田楽を味わえる場所です。囲炉裏の食事は名物なのに、まず静けさがごちそうに思えました。
- 月廻り公園は10万平方メートルの広さと根子岳の眺めが魅力。草原を想像して歩いたら、食後の体が急に大きな空へほどけそうで、景色のスケールに少し笑いました。
- 杉木立の参道に石灯籠が続き、上色見熊野座神社のさらに上には穿戸岩があります。明るい草原の後にこの静けさへ入ると、山が急に物語を隠しているようで気になりました。