LoqiRoam · 旅日記

境川の白さ、本宮山の影

神社、境川の滝、本宮山の登山道、山頂、温泉をつなぎ、白い空から森の影、湯気の光へ移る一日。

東上で降りると、空は一枚の薄い紙のようだった。まずわくぐり神社へ向かう。安産を願う場所の静けさには、観光の速度では見落とす重さがある。境川沿いへ出ると、道の明るさが水面の細かな反射に変わった。牛の滝は大きさより湿度が印象に残る。滝のそばでは足元を慎重にし、音の方へ体を預ける。 その後、本宮山ウォーキングセンターで道を確かめた。杉の影に入ると、さっきまでの白い空が緑の隙間からしか見えなくなる。表参道を上り、奇岩と根の浮いた道を越える。山頂では遠景を期待していたが、雲が視界を隠した。その代わり、雲の切れ目が森の色を一瞬だけ変えた。帰りは本宮の湯へ。空の明るさを追う散歩は、最後に湯気の中で静かに終わった。

この旅の足跡

  1. 戌の日の安産祈願で知られる小さな神社。木立の隙間から曇天の光が白く落ち、静かな境内なのに人の願いの厚みを感じた。
  2. 境川にかかる牛の滝は雄滝と雌滝の二段。湿った岩肌の緑が光を細かく砕き、滝の音だけが道の方向を教えてくれた。
  3. 本宮山の南麓にある登山の出発点。案内図とトイレが整い、舗装路の照り返しが杉の影へ変わる境目に立てる。
  4. 標高789メートルの本宮山。杉の巨樹と奇岩の間から雲の明るさが一瞬だけ差し、遠景より森の奥行きが強く残った。
  5. 本宮山麓の日帰り温泉。森の湯と空の湯が週替わりで入れ替わり、湯上がりには豊橋市街の明るさが遠くにほどける。
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