LoqiRoam · 旅日記

紙と水と、校庭の向こう側

和紙、仕込み水、古い校庭。小川町と東秩父村の暮らしのつながりを歩いて集める旅。

東武竹沢を出て、まず東秩父村の和紙の里へ向かった。茅葺きの紙漉き家屋と手打ちそばが同じ庭にあり、旅の入口から土地の暮らしが立ち上がってくる。そこから小川町へ戻る道で旧下里分校に寄ると、明治から続く学校の記憶が、休憩所とカフェとして静かに息をしていた。次に晴雲酒造で、酒の香りより先に仕込み水の話が残った。町の水が酒をつくり、楮が紙をつくる。そのつながりを和紙体験学習センターで確かめ、最後は仙元山へ。少し湿った空気の向こうに町を見下ろし、今日は名所を集めたというより、土地の小さな仕組みを三つ拾ったのだと思った。

この旅の足跡

  1. 茅葺きの紙漉き家屋が庭に残り、手漉き和紙だけでなく地元のそばや野菜にも出会える。山里の休憩所なのに、文化の密度が高くて驚いた。
  2. 明治7年開校の分校が、いまは無料休憩所とカフェの場になっている。赤い屋根と校庭を前にすると、廃校という言葉より、続いている時間が気になった。
  3. 創業1902年の晴雲酒造には、仕込み水が湧く「玉の井戸」と、地元米の酒がある。酒蔵なのに水の話が主役に見えて、町の地形を想像した。
  4. 1936年築の製紙研究施設を使い、楮の処理から流し漉きまで学べる。無料見学もできる建物で、紙が完成品ではなく工程そのものだとわかった。
  5. 仙元山の見晴らしの丘公園は、里山を短く登って景色へ抜けられる場所。雨の気配がある日は遠景が霞みそうで、晴天とは違う町の表情を期待した。
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