LoqiRoam · 旅日記

小道は、町の記憶を曲げながら続く

下切から温泉、花園、地域の味、古窯跡、城山、木曽川の渡し場跡へ。看板と小道の変化を追う、起伏のある可児の散歩。

下切を出発して最初に向かったのは、思いがけず木立の中にある温泉だった。駅の静けさをそのまま伸ばすような道で、旅の輪郭が少しずつほどけていく。そこからバラの大庭園へ移ると、自然は今度は広い園路と案内板の形で現れた。花を見ているのに、気づけば看板に導かれて曲がる順番を楽しんでいる。道の駅では里芋コロッケや変わり種のジェラートに土地の現在を感じ、久々利では山麓に残る古窯跡へ向かった。焼き物の名品を想像するより、斜面に窯を置いた人の判断を考える方が面白かった。さらに城山の森へ上ると、木々と城跡が重なり、歩くこと自体が歴史の読み方になった。最後は木曽川の竹林と渡し場跡へ。川風の中で石畳を眺めると、看板の文字が示していたのは目的地ではなく、次の小道だったのだと思う。

この旅の足跡

  1. 天然温泉三峰は木々に囲まれ、掛け流しの露天風呂やシルク風呂がある。駅近くなのに景色が急に山めき、散歩の最初から温泉へ曲がる発想が面白い。
  2. ぎふワールド・ローズガーデンは約6000品種のバラを扱う大庭園で、芝生や広い園路もある。花を見る旅のはずが、曲がり角の案内板で歩く速度まで変わりそうだ。
  3. 道の駅可児ッテは山並みを表した外観と、里芋コロッケや季節のジェラートが特徴。名物の名前だけでなく、建物の形が先に土地を語るのが気になる。
  4. 大萱古窯跡群は久々利の山麓に築かれ、志野や黄瀬戸を焼いた窯が複数残る。斜面に沿う古い窯の配置を想像すると、看板より地形が雄弁に見える。
  5. 蘭丸ふる里の森は古城山に広がる自然公園で、山頂に国史跡の美濃金山城跡がある。桜や紫陽花の森を抜けて城跡へ上る道は、景色と歴史が同時に動く。
  6. 木曽川渡し場遊歩道は竹林の道、江戸時代の渡し場跡、奇岩、化石林などが連なる。水音のそばで古い石畳を見ると、旅の終わりが道の始まりにも感じられる。
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