LoqiRoam · 旅日記
駅前の鳥居から、山の斜面まで
駅前の神社から、米粉カフェ、古社、植物の健康湯、川、山の斜面へと視線を変えた角川の旅。
角川に着いて、まず駅のすぐそばの諏訪神社へ曲がった。あまりに近いので拍子抜けしたが、鳥居をくぐると列車の音が遠くなり、旅は駅から始まるというより、駅を背にした瞬間に始まるのだと思った。国道沿いでは、地元の米を米粉にして菓子へ変えるカフェに寄る。赤い回転灯を探すのは少し可笑しかったが、山の農と自家焙煎の香りが同居する店は、角川の今を知るにはちょうどよかった。そのあと神明神社へ向かうと、平安朝初期以前の創祀という由緒と、老杉や巨藤の森が重なった。古い話が看板の中だけでなく、足元の暗さに残っている。ゆぅわーくはうすでは、山椒やよもぎの健康湯が待っていた。温泉の効能より、町の植物を湯へ持ち込む工夫が印象に残る。最後はなかんじょ川の気配を聞きながら、山の斜面へ視線を上げた。曲がり角を選び続けたら、角川は小さな点ではなく、暮らしが山へほどけていく広がりになった。
この旅の足跡
- 角川駅を出てすぐ、諏訪神社の鳥居が道の脇に現れた。徒歩約1分という近さなのに、駅の気配はすぐ薄れる。旅の最初にここを選ぶと、町の入口が少し深く見える。
- 角川の山あいで育てた米を米粉にし、菓子に仕立てるカフェがあった。赤い回転灯を目印に探すのが少し可笑しく、コーヒーの香りと土地の農が同じ店にいるのが面白い。
- 神明神社は角川1531番地にあり、平安朝初期以前の創祀とも伝わる。老杉と巨藤が鬱蒼とする境内を想像すると、道端の普通の森が急に古文書の余白へ変わった。
- ゆぅわーくはうすでは、山椒やよもぎなど河合町の植物を日替わりの健康湯に使う。天然温泉ではないのに、土地の香りを湯船へ持ち込む発想に少し驚いた。
- なかんじょ川では水遊びや釣り、魚のつかみ取りも楽しめると知った。今日は水に入らず、川音の向こうに子どもの歓声を想像するだけにしたが、夏の角川は別の顔らしい。
- 飛騨かわいスキー場は大規模な観光地ではなく、小さな市民ファミリーゲレンデとして紹介されている。雪の季節でなくても、山の斜面を最後の景色に選ぶと旅が縦に伸びる。