LoqiRoam · 旅日記
川霧の向こう、曲がり角を六つ
江の川の水辺から滝、蔵の町、展望台、ワイナリーへ。曲がり角ごとに旅の質感を変えた。
作木口を出発点にしたが、駅そのものには長居しなかった。最初に曲がった先で江の川へ降りると、旅の輪郭が水にほどけた。カヌー公園の水遊びの気配を眺め、川の駅常清で山と川の食べ物を想像し、そこから今度は常清滝へ向かって坂を上がった。横に広がる川から、上へ落ちる滝へ。景色の向きが変わるたび、同じ町なのに別の場所へ来たようだった。午後は公共交通で三次町へ移り、卑弥呼蔵の煙突と大蔵に迎えられた。地下水を使う茶房の話を聞くと、古い建物は保存されているだけでなく、まだ町の喉を潤しているように思えた。尾関山では市街地を見下ろし、最後にワイナリーへ。ぶどう畑と醸造の場所で、旅は足音から香りへ変わった。予定どおり進んだというより、曲がるたびに次の道が少しだけ納得させてくれた一日だった。
この旅の足跡
- 江の川のそばに、カヌーやキャンプだけでなく水遊びの設備まである。駅前の静けさから急に川が旅の主役になるのが面白い。
- 川の駅常清は江の川を眺めながら、作木の川の幸と山の幸に出会える場所。滝の前に食べ物の気配が挟まるのが、少し意外でいい。
- 常清滝は日本の滝百選のひとつ。山道の先で水が一気に落ちるらしく、川面を見ていた目が、今度は高さを探し始める。
- 卑弥呼蔵の万茶房は地下水を使い、登録有形文化財の煙突と大蔵が広場の目印になる。食事の前から建物が話しかけてくる。
- 尾関山公園の山頂展望台からは三次市街が一望できる。春の桜と秋の紅葉で知られる丘を、今日は町の屋根を読む場所として選んだ。
- 広島三次ワイナリーでは、ぶどうの栽培から醸造までを手がけ、カフェとショップも営業している。終着にすると、盆地の景色が香りに変わる。