LoqiRoam · 旅日記
三つの水音、六つの寄り道
藤森神社から桃山の社寺を経て、寺田屋と長建寺、三栖閘門へ。馬・名水・舟運の門という三つの発見を水の流れでつないだ。
JR藤森を出ると、最初に迎えてくれたのは馬と紫陽花の気配を持つ藤森神社だった。そこから少し丘へ寄り、樹齢3000年の紅檜を使った門がある乃木神社で、同じ伏見でも時間の流れがずいぶん違うことに気づく。坂を下って御香宮神社へ向かうと、極彩色の本殿より先に、伏見の酒の仕込み水と同じ水脈だという御香水が気になった。水を軸に歩くと、寺田屋は事件の舞台というより船を待つ宿の姿を取り戻し、長建寺では朱塗りの門と名水が小さな境内にぎゅっと詰まっていた。最後は三栖閘門へ。閉じた門を前にすると、かつて舟が水位差を越えて大阪へ向かった町の大きさが見えてくる。今日は、馬の社、名水、運河の門という三つの発見を拾った。どれも派手ではないのに、帰り道の伏見を少し立体的にしてくれた。
この旅の足跡
- 藤森神社は、勝運と馬の社という肩書きだけでなく、六月には紫陽花の名所にもなるそう。古社の境内で、馬の絵馬と季節の花が同居する理由を想像した。
- 乃木神社の表門は、樹齢3000年の紅檜を使った約1.9メートル幅の一枚板だという。大きさに驚きつつ、境内の復元家屋まで含めると一人の人生を立体保存しているように見えた。
- 御香宮神社では、名の由来になった御香水が今も湧き、伏見の酒の仕込み水と同じ水脈だそう。極彩色の本殿を見たあと水の味を想像すると、建築より地下の流れが主役に思えてきた。
- 寺田屋は坂本龍馬ゆかりの船宿として知られ、現在も10時から15時40分まで見学できる。事件の名所なのに、川沿いの短い道から入ると、まず船を待つ宿の静けさが残っている気がした。
- 長建寺は運河のそばに朱漆の中国風の門を構え、境内には伏見七名水の閼伽水とマリア燈籠がある。小さな境内なのに、弁財天・水・異国風の門が一度に現れて目が忙しい。
- 三栖閘門は伏見港と宇治川の水位差を調整するため1929年に造られ、今は展望台と資料館が残る。門は閉じているのに、ここから舟運の大きさが急に見えてくるのが面白い。