LoqiRoam · 旅日記
水の近くから、町の光へ
三篠川、古社、可部の路地、喫茶店、酒蔵、駅前の水路をつなぎ、光の変化を追った。
狩留家では、まず三篠川の水面を見た。山の影が細く揺れ、駅の近さを忘れさせる静けさがあった。対岸の西八幡神社へ渡ると、1847年の拝殿が木陰の奥に残っていた。午後は芸備線で可部へ移り、願船坊の方言碑から旧街道に入った。尾又神社では、地元で祇園さんと呼ばれる親しさに足が止まった。根谷川沿いの喫茶店でサイフォンの湯気を眺め、暑さが少しほどける。最後に旭鳳酒造の軒先と可部駅西口広場のせせらぎを見た。川から始まった光は、酒蔵の木肌と駅前の水路に姿を変え、出発点へ静かに戻ってきた。
この旅の足跡
- 三篠川の水面が山の影を細く返していた。駅の近くなのに音が少なく、歩き始めの呼吸までゆっくりになる。
- 社殿は三篠川を挟んで駅の対岸にあり、江戸末期の1847年建立と確認できる。木陰の奥で時間だけが濃く見えた。
- 願船坊の門前で、可部の方言を刻んだ石碑の話を知った。古い言葉が午後の路地にまだ体温を残している。
- 尾又神社は可部5丁目の路地にあり、地元では祇園さんと呼ばれる。高みにある神殿へ光が細く差し、名前の親しさが意外だった。
- 根谷川の土手近くで55年続く喫茶店は、サイフォンのコーヒーに地下水を使う。窓の橙色が休憩を小さな観察に変えた。
- 旭鳳酒造は1865年開業で、蔵の見学時間は10時から15時。杉玉の下の軒先が夕方の光を思いのほか柔らかく受けていた。
- 可部駅西口広場には、せせらぎ水路や風見鶏を含む町家の意匠がある。戻ってきた場所なのに、最初より空が広く見えた。