LoqiRoam · 旅日記
古道の水面、町の余白
松久からカフェ、公園、古沼の池、猪俣の文化景観へ歩き、施設の明るさから農村の静けさへ移る旅。
松久を出ると、駅前の小ささが旅を急がせなかった。まずは近くのカフェを休憩候補に置いたが、不定営業とわかり、開いていれば入る程度の余白を残して歩くことにした。遺跡の森総合公園では、グラウンドやテニスコートの活動的な広がりと、遺跡の森館の展示室が同じ敷地にあることに足を止めた。そこから公園の明るさを離れ、松久地区の古沼の池散策コースへ向かう。道は派手ではないが、水面、農地、低い建物の順に視界がほどけ、静けさが単なる無音ではないとわかる。終わりは猪俣の高台院周辺へ。百八燈の祭りがない日にも、斜面と集落には長い時間の置き場所がある。遠い円良田湖も候補に調べたが、今回は歩ける範囲の水と文化を結ぶ方が、出発点の土地をよく聴ける旅になった。
この旅の足跡
- 松久駅を出ると、八高線の小さな駅らしい余白があり、周囲の道へ音がすっと逃げていく。駅前を起点にすると、町の静けさが先に見えた。
- 駅からほとんど離れずに立ち寄れるcafe TsuMuGiは、現在不定営業と確認できた。開いていれば、旅の最初に町の生活音を一杯ぶん受け取れそうだ。
- 遺跡の森総合公園には、競技施設だけでなく遺跡の森館の展示室もある。広い運動の場の隣に出土文化財の静けさがある組み合わせが意外だった。
- 松久地区には4.7kmの古沼の池散策コースが案内されている。観光施設を巡るより、水面と道の距離を測る歩き方にこの町らしい静けさを感じた。
- 猪俣の百八燈は、毎年夏に高台院周辺で行われる国指定重要無形民俗文化財だという。祭りのない時期にも、高台に残る準備の気配を想像した。
- 円良田湖は美里町と寄居町にまたがる灌漑用の人造湖で、周囲4.3kmの水辺だという。人の手で造られた湖なのに、山間の沈黙が深く残る。