LoqiRoam · 旅日記

防潮堤の向こうで、海へ戻る

道の駅の食と案内から、防潮堤と震災遺構を経て、真崎海岸と三王岩へ海の現在をたどった。

新田老駅を出ると、最初の曲がり角で予定を少し外した。道の駅たろうに寄り、産直の品と食堂のメニューを眺める。防災の案内所まで同じ敷地にあるのが田老らしく、旅の入口からこの町の時間に触れた気がした。そこから海側へ歩くと、巨大な防潮堤が道の先を塞ぐ。長さや高さを知るほど、津波を完全に止めるものではなく、逃げる時間をつくるものだという現実が重くなる。さらに進んで、たろう観光ホテルの残った骨組みを見た。ここでは景色が説明する。重くなった足を真崎海岸へ向けると、遊泳が再開された浜に風が通り、町が記憶だけで終わらないことを感じた。最後は三王岩へ。人が築いた壁のあとに、海を止めずに立つ奇岩を見る。今日選んだのは名所の順番ではなく、道が記憶から自然へ曲がっていく順番だった。

この旅の足跡

  1. 道の駅なのに、産直だけでなく防災案内まで同じ敷地にある。まず食べ物を選ぶと、町の復興が急に近く感じられた。
  2. 善助屋食堂のどんこ唐揚げ丼と、わかめラーメンの並びが面白い。海の味を一つに決めず、昼の気分に任せたくなった。
  3. 田老の防潮堤は全長2433メートルの二重構造で、かつては万里の長城と呼ばれた。それでも越えられた事実に、数字だけでは測れない怖さを覚える。
  4. たろう観光ホテルは4階まで浸水し、下層の一部を失いながら倒壊しなかった。残った骨組みを見て、建物が記録媒体になる瞬間を想像した。
  5. 真崎海岸小港海水浴場は震災後に遊泳できない時期を経て、令和元年から再開した。静かな浜なのに、戻ってきた時間が見える気がする。
  6. 三王岩は海岸に立つ三つの奇岩で、車なら宮古駅から約30分。防潮堤とは違い、こちらは海を止めずに立っている。その無愛想な強さが好きだ。
地図と足跡で読む