LoqiRoam · 旅日記

道は山へ、記憶は横へ

松井田宿から城跡、近代建築、横川の鉄道、碓氷湖、めがね橋へ。道の役割が変わるたびに曲がる旅。

西松井田を出て、まず松井田宿の旧街道へ入った。宿場は約一キロ続き、米の中継点として栄えたという。道を歩いていると、旅人より荷物のほうが多く行き交った昔の気配が、家並みの隙間からちらつく。そこから北東へ曲がり、標高410メートルの松井田城址へ。平らな駅前からは想像しにくい尾根の広がりで、碓氷峠を守る道の重さが少しわかった。さらに予定を外して、畑の中のパルテノンと呼ばれた旧松井田町役場へ向かった。白い列柱は、山城の土塁とは別の時代の気負いを見せていた。横川へは公共交通で移動し、碓氷峠鉄道文化むらで、峠を越えた機械の記憶に触れる。最後は碓氷湖の水辺で速度を落とし、めがね橋へ。煉瓦のアーチは、曲がり角の多い山道に、突然まっすぐな意志を置いていた。名所を順番に集めたというより、道が物流、城、役場、鉄道、水、橋へ姿を変えるたびに、こちらの歩き方も変わった旅だった。

この旅の足跡

  1. 松井田宿は約1キロ続く宿場町で、かつて米の中継で栄えたらしい。広い国道の脇に昔の道が残る感じが、少し不思議だ。
  2. 松井田城址は標高410メートルの尾根に広がる山城で、碓氷峠を押さえた要衝だった。駅の近くなのに、道の先が急に戦国へ跳ぶ。
  3. 白い列柱と大きなバルコニーを持つ旧松井田町役場は「畑の中のパルテノン」と呼ばれた。農村の風景にこの建物、少しやりすぎで好きだ。
  4. 碓氷峠鉄道文化むらでは、旧碓氷線にゆかりのある車両や資料を見られる。横川まで来ると、峠が景色だけでなく機械の記憶になる。
  5. 碓氷湖は二つの川の合流点をせき止めた人工湖で、湖畔には約1.2キロの散策道がある。鉄道の音のあと、今度は水の静けさだ。
  6. めがね橋は旧国道18号の碓氷峠に残る煉瓦造りのアーチ橋。山道の曲線から突然きれいな幾何学が現れて、少し立ち止まった。
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