LoqiRoam · 旅日記
丘と杉並木、その先の空
城跡、発酵のカフェ、杉並木、公園、納屋の食事処を経て、片曽根山から町の光を見渡した。
磐城常葉では、駅の近くからすぐに城跡の坂へ入った。模擬天守の影が地面に落ち、朝の線路とは違う時間を示していた。船引へ移ると、住宅地の中のnda焙で米と発酵の気配に休む。明るい店内を出たあと、安倍文殊菩薩堂の杉並木へ向かった。約四百メートルの道は、昼なのに光を細くする。そこから大鏑矢ふれあい公園へ戻ると、花菖蒲の季節を過ぎても、空の明るさが緑の上に残っていた。芦沢のぷくぷく茶屋では、古い納屋の梁と蒸気が視界を柔らかくした。最後に片曽根山へ上がる。町は遠くなるほど静かになり、雲の切れ目から差す光が、歩いた道の順番を一度にほどいていった。
この旅の足跡
- 模擬天守のある本丸跡まで、短い坂を上った。城跡なのに建物が先に目に入り、その影の向きで丘の形がわかる。
- 米と発酵をテーマにした住宅地のカフェ。自家焙煎の香りの向こうで、米粉の甘さが思ったより軽く残った。
- 安倍文殊菩薩堂へ続く杉並木は約400メートル。昼でも足元が少し青く、幹の間から差す光だけが細く動いていた。
- 大鏑矢ふれあい公園では、六月下旬に五千株の花菖蒲が咲く。季節を外れても、広い空と整った緑が住宅地の中で急に明るい。
- 昭和の納屋を改装したぷくぷく茶屋。蒸し料理の湯気が古い梁を白くし、外の強い光より店内の時間がゆっくり見えた。
- 田村富士と呼ばれる片曽根山。展望台では市街地が低く連なり、雲の切れ目から光が落ちるたび町の色が変わった。