LoqiRoam · 旅日記
線路のそばで、時間の層を三枚拾う
遊園地、水辺、古社、飛鳥山の近代建築、地形を生かした庭園、田端の文学を都電でつないだ。
荒川遊園地前を出ると、最初に見つかったのは遊園地と川の近さだった。観覧車の明るさから隅田川の水辺へ少し歩くだけで、旅の音が変わる。次に尾久八幡神社へ寄ると、都電の走る街に南北朝以前から続く鎮守があり、現在と昔が同じ角を曲がっていた。そこから都電で飛鳥山へ。木陰の公園に、渋沢史料館と晩香廬、青淵文庫が静かに残り、歴史が年表ではなく建物の細部になった。最後に旧古河庭園で高台から斜面、低地へ下り、洋館とバラと日本庭園の順番に驚く。田端では文士たちの創作の気配に触れ、景色の旅が言葉の旅へそっと変わった。
この旅の足跡
- 観覧車の向こうに、あらかわ遊園は水上バス発着場まで徒歩3分。遊園地と川がこんな近さで並ぶのが意外で、今日は乗り物より水面の気配が気になった。
- 尾久八幡神社は創建時期こそ定かでないが、最古の棟札は至徳二年。都電の音のそばに、南北朝以前から続く時間が立っているのが不思議だった。
- 飛鳥山公園では、都電荒川線の飛鳥山停留場から徒歩4分で公園の緑に入れる。線路際の街から急に木陰へ切り替わり、東京の高低差を小さく発見した。
- 渋沢史料館には本館だけでなく、晩香廬と青淵文庫も残る。大正期の洋風茶室と文庫が公園の中に並ぶ姿に、仕事の歴史が急に手触りを持った。
- 旧古河庭園は高台の洋館、斜面のバラ園、低地の日本庭園という順に地形を使う。洋と和の境目を歩くと、庭が平面ではなく小さな山歩きに見えてきた。
- 田端文士村記念館は午前10時から午後5時まで開き、芥川龍之介ら田端の文士・芸術家を紹介する。庭の景色の後に、紙の上の町へ着いた感じがした。