LoqiRoam · 旅日記
木漏れ日が知明湖へほどけるまで
旧校舎、炭焼きの森、花畑、環境施設、知明湖、一庫公園をつなぎ、人の営みと自然に落ちる光の変化を追った。
黒川の出発点では、まだ道の輪郭が朝の影に隠れていた。旧黒川小学校の木造校舎を見てから、台場クヌギの森へ向かう。枝を切りながら炭をつくる森は、放っておかれた自然ではない。人の手が入ることで、斜面の色が少しずつ変わっていた。ダリア園では花の季節を外し、畑の土と空いた畝を見た。その静けさのあと、ゆめほたるでごみ処理の仕組みと、近くに残るエドヒガンやヒメボタルの話を知る。旅の向きが、見ることから支えることへ変わった。最後は一庫公園へ。湖畔の道では雲の切れ間が水面を銀色にし、見晴らしの丘ではその光が山並みの向こうへ薄まっていく。近い影から遠い明るさへ、短い散歩の中で一日が静かにほどけた。
この旅の足跡
- 古い木造校舎の窓に朝の光が薄く残っていた。明治37年の北棟と新しい避難所が並ぶ場所で、学校が里山の休憩所に変わった時間を想像する。
- ずんぐりした台場クヌギの枝先だけが、斜面の上で明るく光っていた。菊炭を生むため約10年周期で伐る森だと知り、整った自然という言葉が少し違って見えた。
- 秋の営業期には約1,000株のダリアが里山を彩る畑。今は花の不在がかえって土の明るさを見せ、満開の色を待つ場所にも季節の表情があると感じた。
- ごみ処理の工程を見せる施設のそばに、エドヒガンやヒメボタルの環境が残る。便利さの裏側と夜の小さな光が、同じ谷に重なっているのが意外だった。
- 知明湖の水面に雲が切れ、湖畔のデッキだけが銀色になった。約1kmの湖畔道は歩く速度を落とすためにあるようで、ダムの大きさより水の細かな揺れが残った。
- 丘の上から一庫ダムと周囲の山並みが180度に開く。近くでは葉の影、遠くでは午後の白い光。視界の距離が変わるたび、同じ一日が別の色になった。