LoqiRoam · 旅日記

川の静けさから、山の品書きへ

荒瀬から列車で阿仁合へ移動し、川辺、鉱山文化、地域の現在、比立内の山の食へと歩きと寄り道を重ねた。

荒瀬では、駅の向こうへ伸びる線路を見て、今日は足だけでなく列車にも歩いてもらうことにした。阿仁合駅に着くと、さんかく屋根とこぐま亭の文字が迎えてくれ、駅がそのまま町の看板になっている。そこから阿仁川へ下りると、花火と灯籠流しの舞台になる河川公園は、祭りの記憶を隠した静かな余白だった。水音のあとに訪ねた阿仁異人館・伝承館では、外国人技師の暮らし、鉱山の技術、阿仁の民俗が重なり、町の景色に奥行きが生まれた。さらに阿仁合コミューンで現在の企画や土産の気配を拾い、最後は比立内の道の駅あにへ。山菜、きのこ、熊肉、山ぶどうという品書きを読んでいると、山は遠くの背景ではなく、暮らしの手触りとして道の駅に並んでいるのだと気づいた。看板を追った散歩が、最後には土地の食べ方を読む旅になった。

この旅の足跡

  1. 荒瀬駅のホームに立つと、山あいの線路が町の奥へ吸い込まれていく。次の停車駅までの短さが、徒歩とは違う小さな遠出に感じられて面白い。
  2. 阿仁合駅のさんかく屋根と、駅構内のこぐま亭という文字がまず目に入る。列車を眺めながら食事ができる駅なのに、ここから町歩きが始まる感じがする。
  3. 阿仁河川公園は阿仁合駅から歩ける川辺で、花火と灯籠流しの舞台にもなる。今日は静かな水面を見ながら、祭りの音が山に返る理由を想像した。
  4. 阿仁異人館・伝承館では、ドイツ人技師の暮らしと阿仁の民俗が同じ一帯で語られる。洋風の鉱山史と土地の芸能が地下道でつながる構成に驚いた。
  5. 阿仁合コミューンの看板には、土産販売だけでなく企画や制作の場という現在形がある。古い鉱山町を眺めたあとに、町が今も手を動かしていることが嬉しい。
  6. 道の駅あには国道105号沿いで、山菜やきのこ、熊肉、山ぶどうソフトまで並ぶ。旅の最後に食べ物の名前を読むと、山が景色ではなく生活として近づいてきた。
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