LoqiRoam · 旅日記

川音の向こうへ、茶の道をゆく

温泉、川、線路、家山の町、茶畑をつなぎ、乗れない列車の旅を音の旅へ変えた。

川根温泉笹間渡を出ると、まず湯のある場所へ向かった。露天風呂からSLが見えるという温泉は、ただ身体を温めるだけでなく、山あいで列車を待つ時間まで含んでいるようだった。けれど、調べてみると大井川鐵道は川根温泉笹間渡から千頭までが不通。そこで旅の軸を乗ることから聞くことへ切り替え、大井川に架かる橋で水と線路の距離を眺め、家山駅では町の生活音へ寄り道した。最後は茶畑の斜面を抜け、山香荘茶園へ。製茶工場や手揉みの仕事、古民家での休憩を知ると、茶は景色ではなく時間そのものなのだと思った。帰りには、最初に聞いた川音が、少しだけお茶の香りを含んでいた。

この旅の足跡

  1. 駅を出てすぐ、源泉掛け流しの湯と大井川の気配が近いことに気づいた。露天風呂からSLが見えるという趣向に、湯船で待つ時間まで旅になった。
  2. 大井川に架かる橋の近くでは、列車の音が山の斜面で少し遅れて返ってくる気がした。運休区間もあると知り、線路の現在を静かに見つめた。
  3. 家山駅では、列車を待つ場所そのものが町の入口になっていた。桜の名所として知られる道を歩くと、観光の華やかさより生活の足音が先に聞こえた。
  4. 川根の茶畑は、斜面の緑だけでなく大井川の霧に育てられている。畝の間を風が抜けるたび、土地の香りが目に見えない音符のように並んだ。
  5. 山香荘茶園では、川根茶の直売だけでなく、製茶工場の見学や手揉み体験、古民家での休憩もできる。摘む前の茶葉と、淹れた後の静けさが気になった。
地図と足跡で読む